大沢川 (静岡市)

大沢川（おおさわがわ）

大沢川は静岡県静岡市清水区を流れる巴川水系の二級河川であり、その自然環境と歴史的背景から地域に深く根ざした存在となっています。

地理的特徴

大沢川は巴川の右岸の支流の一つとして位置づけられています。川の流れは清水区北矢部にある清水斎場近くから始まり、船越東町、船原、大坪を経て、渋川の清水保健福祉センター付近では大きく方向を変え、最終的には東大曲町で巴川と合流します。この流れの途中では、静岡鉄道静岡清水線やJR東海道本線、さらに国道1号を下に通過しており、地域の交通網とも密接に関連しています。また、船原や大坪地区には200本以上のソメイヨシノが植えられており、春になると美しい桜の景色を楽しむことができます。

歴史的背景

かつて、大沢川は静岡市清水区月見町周辺を流れ、常念川を介して巴川に合流していました。しかし、周辺地域で水田の開発が進むにつれて、灌漑用水としての利用が必要となり、川の流れが北方に変更されたと言われています。

大沢川は有度山からの土砂流出による影響も受けており、特に大雨時には堤防が決壊し周辺の農地が土砂で埋まることが多く、大きな被害が出ることがありました。このため、地域の人々は大雨の際には総出で堤防の警戒を行い、出水による被害を防ごうとしていました。何度も堤防がかさ上げされ、大正時代には田面よりも7～8m高い天井川となっていたとの記録が残っています。1941年から始まった河川改修により、現在の流れが形成されました。

主な支流

• - 初生川: 清水船越堤公園内にある夫池と婦池から流れ出て、船原町で大沢川の左岸に合流します。毎年5月から6月には、池周辺でホタルの観賞会が行われる人気スポットでもあります。

• - 追分川（逆川）: 桜ヶ丘町の桜ヶ丘公園付近にあった湿地を源に北へ流れ、清水入江小学校の近くを通過した後、追分2丁目で大沢川の右岸に合流します。この川は、前述の付け替えの前は、大沢川の流路の一部を成していました。

• - 谷津沢川: 最大の支流であり、清水区馬走から始まり、追分3丁目付近で大沢川の左岸に合流します。途中には、川が線路をまたぐ水路橋が存在し、地域の交通とも関系があります。

大沢川周辺は、自然環境が豊かで多様な生態系を支えています。地域の人々にとってこの川は、生活の一部であり文化の要素でもあります。川の流れ、周辺の植物や動物たちと共存しながら、未来に向かって大切に守られています。

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