大沢真理

大澤真理：社会政策とジェンダー研究をリードする経済学者

大澤真理氏は、1953年生まれの日本の経済学者であり、東京大学名誉教授です。専門は社会政策、特にジェンダーの視点を取り入れた比較ジェンダー分析や男女共同参画に関する研究で知られています。東京大学経済学部卒業後、同大学院博士課程単位取得退学を経て、東京大学社会科学研究所に助手として着任。その後、東京都立大学、再び東京大学と、研究活動の場を移しながら、助教授、教授へと昇進していきました。

華々しい経歴と国際的な活躍

大澤氏のキャリアは、国内にとどまりません。ベルリン自由大学やボッフム大学などドイツの大学、アジア工科大学院（タイ）など、海外の大学でも客員教授として活躍。東京大学では、社会科学研究所長も務めました。2019年には東京大学を定年退職し、名誉教授となりました。 その間、1993年には山川菊栄賞を受賞するなど、研究者としての高い評価を受けています。

多岐にわたる研究活動と社会貢献

研究活動では、比較ジェンダー分析、社会政策、男女共同参画に関する多くの論文を発表し、数多くの著書を出版してきました。代表的な著書には、『イギリス社会政策史－救貧法と福祉国家－』や『企業中心社会を超えて:現代日本を「ジェンダー」で読む』、『現代日本の生活保障システム: 座標とゆくえ』などがあります。これらの著作は、社会政策やジェンダー研究の分野において大きな影響を与えました。

学術活動に加え、大澤氏は政府機関においても重要な役割を担ってきました。厚生労働省社会保障審議会や東京大学男女共同参画推進委員会の委員を務めたほか、国際協力機構ジェンダー支援委員会の委員長、内閣府男女共同参画会議影響調査専門調査会の会長なども歴任しています。近年は、政府税制調査会にも参加するなど、政策立案に携わってきました。

社会問題への積極的な発言と主張

大澤氏は、社会問題についても積極的に発言しています。特に、選択的夫婦別姓制度の導入に賛同しており、「夫婦で同じ名字を名乗りたい人にはそれをする自由があり、それから自分が独身のときの名字を維持したいという場合にはそれを選ぶ自由があるという意味での選択的夫婦別姓ということが最も望ましい」という考えを示しています。また、2023年には、日本による対韓輸出優遇撤廃に反対する声明に名を連ねています。

所属学会とメディア出演

所属学会は、日本評価学会、社会事業史学会、社会政策学会など多岐に渡ります。メディアへの露出も多く、ビデオニュース・ドットコムやデモクラシータイムス（YouTube）などにも出演しています。

まとめ

大澤真理氏は、経済学者として、社会政策、ジェンダー研究の両分野で顕著な業績を残しています。国内外の大学での活動、政府機関での委員職、そして数々の著書・論文発表を通して、日本の社会政策と男女共同参画社会の実現に大きく貢献してきた人物と言えるでしょう。今後の活動からも目が離せません。

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