大泉源郎

大泉源郎：苫小牧の発展に尽くした市長

大泉源郎（おおいずみ げんろう、1910年12月20日 - 2005年12月28日）は、日本の政治家であり、北海道苫小牧市の2代目市長として、1963年から1983年までの長きにわたり市政を担いました。彼のリーダーシップのもと、苫小牧市は目覚ましい発展を遂げ、道内有数の工業都市としての地位を確立しました。大泉は、その功績を称えられ、苫小牧市名誉市民となっています。

生い立ちと初期のキャリア

大泉源郎は、1910年に勇払郡苫小牧村（現在の苫小牧市）で、質屋の三男として生まれました。室蘭商業学校から旧制北海中学校へ編入し、卒業後は苫小牧に戻りますが、職が見つからず、苫小牧町役場に臨時職員として入庁します。徴税課員としてキャリアをスタートさせ、その後常勤職員となりました。1947年、36歳という若さで当時の町長、田中正太郎に助役に抜擢され、1948年の市制施行を迎えました。

苫小牧市長として

1963年、大泉源郎は、田中市長の引退に伴う市長選に出馬し、北海道衛生部長を務めた稲垣是成らを破り、初当選を果たしました。当時の苫小牧市は、苫小牧港が開港し、新たな時代を迎えようとしていました。大泉は、日之出化学工業をはじめ、宇部興産、出光興産、日本軽金属といった大手企業を積極的に誘致し、苫小牧を道内随一の工業都市へと変貌させました。

さらに、大泉は苫小牧港の東部に広がる苫東地区の開発を推進しようとしましたが、公害問題などから支持母体である社会党などが反対しました。そのため、4期目からは保守・中道系に軸足を移し、1983年まで5選を果たしました。市長在任中には、北海道市長会副会長や全国市長会副会長などの要職も務め、ラムサール条約登録湿地であるウトナイ沼の環境保全、道内初の下水道整備、フェリーの苫小牧就航など、都市機能の充実化にも尽力しました。

退任後と晩年

1988年、大泉源郎は苫小牧市名誉市民となりました。2005年12月28日、慢性腎不全のため95歳で生涯を閉じました。その死没日をもって、従四位に叙されています。

大泉源郎は、苫小牧市の発展に大きく貢献した人物として、その名が深く刻まれています。彼の先見の明と実行力は、今日の苫小牧市の礎を築いたと言えるでしょう。

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