大波止停留場

大波止停留場（長崎電気軌道）

大波止停留場（おおはとていりゅうじょう）は、長崎県長崎市江戸町に位置する長崎電気軌道本線の停留場です。長崎の主要な電停の一つであり、1号系統と2号系統が停車します。駅番号は29です。

概要

大波止停留場は、長崎港の最寄りの停留場として機能しており、古くから市民や観光客に利用されてきました。特に、長崎みなと祭り、精霊流し、長崎くんちといったイベント開催時には、多くの利用客で賑わいます。これらのイベント時には、当停留場を始発とする赤迫方面への臨時列車が運行されることがあります。

歴史

大波止停留場は、1915年（大正4年）11月16日に開業しました。これは、長崎電気軌道の第1期線（築町 - 病院下間）の開通と同時に行われました。開業以来、停留場の位置と名称は一度も変更されておらず、長崎電軌の路線開業当初から存在する唯一の停留場です。かつては長崎県庁舎が近隣にあったため、乗務員から「大波止県庁前」と呼ばれることもありました。

構造

停留場は併用軌道区間に位置し、ホームは道路上に設けられています。2つのホームが南北方向に伸びる2本の線路を挟む形で配置されていますが、それぞれのホームの位置は斜向かいにずれています。北側にあるホームが長崎駅前方面行き、南側にあるホームが新地中華街方面行きです。

特筆すべき点として、精霊流しの際には、長崎駅前方面行きのホームが精霊船の走行経路と重なるため、安全対策として交差点を挟んだ南側に臨時のホームが設置されます。通常のホームは閉鎖され、混雑緩和のために改札係が配置され、通常の乗車扉からも降車できるよう措置が取られます。

利用状況

長崎電気軌道の調査によると、大波止停留場の1日の乗降客数は以下の通りです。

1998年: 1,644人
2015年: 2,500人

近年、利用客数は増加傾向にあります。

バス路線

停留所近隣には、県営バスと長崎バスが運行する大波止バス停があります。

周辺情報

大波止停留場の周辺は、長崎県の行政中心地としての役割を担っています。大波止交差点は、市内でも交通量の多い交差点の一つです。かつては長崎県庁舎が最寄りにありましたが、2018年（平成30年）に移転しました。

停留場名が示す通り、長崎港の波止場が近く、五島列島や伊王島などへの船便がフェリーターミナルから発着しています。1969年（昭和44年）までは、港内連絡船も発着しており、大波止は連絡船と路面電車との乗り換え地点として機能していました。フェリーターミナルは1996年（平成8年）に付近の埋め立てに伴い移転し、停留場からは少し距離があります。埋め立て地にはショッピングセンター「ゆめタウン夢彩都」が開業しています。

周辺施設:

国道202号
国道499号
長崎出島ワーフ
文明堂総本店
長崎県警察本部
長崎地方裁判所・長崎家庭裁判所
長崎地方検察庁
長崎掖済会病院
ホテルベルビュー長崎出島
アパホテル〈長崎出島〉
* 近畿産業信用組合 長崎支店

隣の停留場

長崎電気軌道

本線（■1号系統・□2号系統）

五島町停留場（28） - 大波止停留場（29） - 出島停留場（30）

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