大津城

大津城の歴史と役割

大津城（おおつじょう）は、安土桃山時代の日本において、近江国滋賀郡大津に築かれた城です。現在の滋賀県大津市浜大津周辺に位置し、琵琶湖に面した水城としての役割を果たしました。当時、二の丸と三の丸は内陸側に配置され、本丸は琵琶湖岸にあり、港の機能も担っていました。現代の大津港は、その沖合を埋め立てて建設されています。

城の設計と攻防戦

関ヶ原の戦いでは、大津城で激しい攻防が繰り広げられました。この戦闘の音は京都にまで届き、市民たちは弁当を持参して見物に訪れたと言われています。戦後、大津城は廃城となり、天守などの建築物は膳所城や彦根城に移築されたとされています。1977年に行われた彦根城の老朽化した天守の解体修理の際、元々の大津城天守の材料であった証拠が発見され、これにより大津城の天守は望楼型の4重5階だったのではないかと考えられています。

大津城の築城とその目的

大津城は1586年から1587年にかけて豊臣秀吉によって築かれました。秀吉は坂本城を廃城とし、浅野長政に命じて新たにこの城を構築しました。最初の城主は増田長盛で、その後は新庄直頼が城主となり、1595年には京極高次が6万石を与えられ、大津城の主となりました。

この城は琵琶湖の水運を利用して、県外から運ばれる物資を適切に保管するための要所として設計されました。また、近江国の年貢米を保管する役割も果たしていたとされています。1600年には関ヶ原の戦いで高次が東軍に加わり、大津城に籠城しました。しかし、城の石垣は低く、2メートル程度の高さであり、長期戦に耐えるには不向きでした。

関ヶ原の戦いとその影響

戦闘は9月7日に始まり、西軍の毛利元康や立花宗茂による1万5000の軍が城を包囲しました。それに先立ち、京極軍は城下を焼き払う攻撃を持って、町は荒れることとなりました。京極軍は城に篭る高次軍と激しい戦闘を繰り広げましたが、立花軍からの大砲攻撃により、城内は混乱をきたしました。高次が抵抗を続ける中、立花宗茂が高次の命を保証する書状を矢文で届け、結果として高次は降伏を決意しました。

降伏後、高次は寺に移り変装して出城しました。この際、彼の抵抗が西軍を足止めした功績が評価され、戦後は徳川家康から若狭小浜城に転封されました。

その後の大津城

関ヶ原の戦いから1年後、大津城は廃城となり、新たに膳所崎に膳所城が築かれました。戦闘で無事だった一部の建物は、彦根城や膳所城に移築され、歴史上の重要な痕跡となっています。歴代の城主には、浅野長政や増田長盛、新庄直頼、京極高次、戸田一西が含まれており、それぞれが城の管理と発展に寄与しました。

このように、大津城は戦国時代の激闘の舞台となっただけでなく、戦後もさまざまな歴史的な影響を与え続けた場所であり、現代においてもその痕跡が訪れる人々に語りかけています。

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