大海原重義

大海原重義は、1882年（明治15年）11月8日に滋賀県犬上郡彦根町で生まれ、1940年（昭和15年）11月21日に生涯を閉じました。彼は日本の内務官僚として、また府県知事として、そのキャリアを築きました。最終的な位階は正四位、勲等は勲二等です。

生い立ちと学歴

大海原重義は、旧彦根藩士であり、近江鉄道や大日本製糖の重役を務めた大海原尚義の長男として誕生しました。彼は、三重県第一中学校、学習院高等科を経て、1908年に東京帝国大学法科大学を卒業し、大学院に進学しました。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、その才能を早くから示しました。

内務官僚としてのキャリア

1909年2月、大海原は内務省に入省し、香川県属としてキャリアをスタートさせました。その後、香川県事務官、熊本県事務官、埼玉県警察部長、千葉県警察部長、長崎県警察部長、内務省警保局事務官兼内務書記官、東京府内務部長など、重要な役職を歴任しました。これらの経験を通じて、地方行政や警察行政に関する深い知識と豊富な経験を培いました。

知事としての活躍

1922年10月、大海原は山梨県知事に就任し、初めて知事としての職務を担いました。その後、1923年10月には内務省神社局長に転じ、神社行政の中枢を担いました。1924年5月には岡山県知事に就任しましたが、1925年9月に休職。1927年5月には再び神社局長に登用されました。同年7月、京都府知事に転任し、1929年7月に辞任するまで、京都府の発展に大きく貢献しました。京都府知事時代には、舞鶴港の修築、国道改築、御大典の実施などに尽力し、そのリーダーシップと実行力を示しました。

家族

大海原重義の妻である登代は、歴史学者・三上参次の長女です。また、長女の静子の夫である岡崎博は、岡崎久次郎の二男であり、父親の会社で重役を務めていました。

参考資料

大海原重義に関する情報は、以下の文献で確認することができます。

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『昭和物故人名録 昭和元年-54年』日外アソシエーツ、1983年。


大海原重義は、内務官僚として、また地方の長として、日本の近代化に貢献した人物と言えるでしょう。彼の足跡は、地方行政の発展史においても重要な位置を占めています。

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