大清会典

『大清会典』について

『大清会典』は清朝の時代に編纂された、政治制度に関連した史書です。この書物は1670年から1690年にかけて作成され、以後も数次にわたって改訂が行われました。特に康熙帝、雍正、乾隆、嘉慶、光緒の各時代に編纂されたことから、「清の五会典」と呼ばれることもあります。さらに、漢文に加えて満州語でも書かれていることが特徴的です。

編纂の概要

最初の編纂は1690年に康熙帝によって行われ、以後、1733年の雍正時代、1766年の乾隆時代、1818年の嘉慶時代、1899年の光緒時代と、5回の続修がなされました。各時代の法制度や政府機構の変遷が詳細に記録されており、特に康熙と雍正時代の会典では実際の例文が豊富に含まれています。しかし、乾隆時代以降はその資料量が膨大となり、例文を別冊にまとめた『大清会典則例』が編纂されるようになりました。

五つの編纂

• - 第1回編纂（1690年）: 康熙29年に完成したこの編纂には、1636年から1659年の出来事が記載されており、康熙帝の勅諭や編纂官の名、目録とともに162巻が編まれています。現在では「康熙会典」として知られています。

• - 第2回編纂（1733年）: 雍正11年に完成し、1660年から1728年の内容が加えられました。巻数は250巻に増え、雍正時代の特色を反映した「雍正会典」として扱われています。

• - 第3回編纂（1766年）: 乾隆31年のこの編纂では、1729年から1762年までの内容が追加され、本文の巻数は100巻となりました。例文は別冊に整理され、効率が向上したことが注目されます。

• - 第4回編纂（1818年）: 嘉慶23年に完全したこの編纂では、1763年から1810年までの法制が追加され、「嘉慶会典」と名付けられました。巻数は80巻に減少しましたが、例文を整理した『大清会典事例』は920巻にも及びます。

• - 第5回編纂（1899年）: 光緒25年に編纂されたこの書物には1811年から1896年の法制度が反映されており、内容は100巻と1220巻の『大清会典事例』にまとめられています。

光緒会典の内容

1899年に編纂された光緒会典は、100巻から成り、各巻には宗人府や内閣、軍機處、吏部、戸部などの政府機構が細かく記されています。

• - 巻1: 宗人府
• - 巻2: 内閣
• - 巻3: 軍機處、稽査上諭事件處
• - 巻4〜巻12: 吏部
• - 巻13〜巻25: 戸部
• - 巻26〜巻40: 禮部
• - 巻41〜巻42: 樂部
• - 巻43〜巻52: 兵部

他にも、刑部や工部、理藩院など、清朝の各機関の詳細が収められており、政治や法律、行政に関する貴重な情報源としての役割を果たしています。これらの資料は、清朝の歴史や文化を理解する上で大変重要です。

もう一度検索