大湊ネブタ

大湊ネブタ

大湊ネブタは、青森県むつ市の大湊地区とその周辺地域（城ヶ沢を含む）で行われる、地域に根ざしたねぶた祭りです。

スタイル

大湊ネブタの特徴は、企業が主体となる青森ねぶたとは異なり、地域住民が中心となってねぶたを制作し、運行している点です。人形ねぶたが主体で、地域住民が長いロープを使い、ねぶたを曳きながら街を練り歩きます。ただし、大湊地区は坂道が多いため、また、人手不足という事情もあり、町内を回る際や合同運行の集合場所へ向かう際には、車両（主にトラック）で牽引されることも少なくありません。

運行の順番は、先頭に町内や団体を表すミニねぶたなどが立ち、その後に流し踊り、曳き手、ねぶた本体、太鼓と篠笛による囃子方が続きます。青森ねぶたに見られるハネトは基本的にいません。

電線や道路の幅などの制約から、ねぶた本体の大きさは横幅約7メートル、奥行き約3メートル、高さ約5メートル（台車を含む）と、青森ねぶたに比べて一回り小さくなっています。

祭りは毎年8月の第一週の金曜日・土曜日・日曜日（町内によっては木曜日から）に開催されます。

参加団体は、以下の大湊地区の町内会に加えて、海上自衛隊やむつ市職員互助会など、計10団体です。

城ヶ沢
桜木町
宇田町
大湊上町
大湊浜町
大湊新町
大平町
山田町

近年では、ねぶた制作者の人手不足が深刻化しており、合同運行には参加せず、各町内会のみで規模を縮小したねぶた運行を行う町内会も見られます。

合同運行

祭り期間中の2日目と3日目の2日間は、すべての参加団体が集まり合同運行が行われます。合同運行の初日は、むつ市宇田町から大湊駅付近まで運行され、各ねぶたの審査が行われます。最終日には、その受賞結果のお披露目を兼ねて、市運動公園から大湊駅前商店街まで運行されます。

現在の形式での合同運行は、1885年頃から始まったと言われています。

下北地域のその他のねぶた

大湊ネブタの他にも、下北地方には各地にねぶたが存在します。むつ市の田名部、川内町、脇野沢、大畑、および風間浦村、東通村、佐井村などでも行われています。

川内町を除き、多くは子どもねぶたです。

川内町のねぶたの囃子は、大湊のものとは大きく異なり、青森県内でも独特で、激しくもメロディアスな特徴を持っています（この囃子は川内地区から大湊地区の文京町にも伝わりました）。青森市と同様に跳ねるスタイルも見られます。掛け声も「ラッセラーラッセッラー」の他に「イッチャヤレ、ヤーレ、ヤーレ」というものがあります。1960年以前には、方形の台（天の川を意味する雲漢の文字が書かれている）の上に八角形の皿、さらにその上に組ねぶたの背面に付けられる見送りと呼ばれる額が付いた自作の山車を使用していたようです。しかし、過疎化などの影響により、長年にわたり、使用済みの（城ヶ沢を含む）大湊などのねぶたをレンタルまたは買い取って開催されてきました（見送りを取り付けるために背面を壊す場合もあり、レンタルでは多少の摩擦がありました）。近年では、復興の意識などから住民が製作したねぶたも出されるようになっています。

大湊、脇野沢、川内のネブタ囃子はそれぞれに特徴があります。

ねぶたの起源

江戸時代中期の紀行家である菅江真澄は、日記の中で大畑でもねぶたが行われていることを記述しています。ねぶたは津軽地方や外ヶ浜だけのものではなく、近年になって青森を真似たものでもありません。江戸時代には既に下北地方でも行われていたのです。ただし、ねぶたの起源はまだ解明されていません。

関連項目

田名部おしまこ
田名部まつり

外部リンク

* 大湊ネブタ - むつ市

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