東通村

東通村

青森県下北半島の北東部に位置する東通村は、太平洋と津軽海峡に挟まれた自然豊かな村です。村の中央を南北に下北丘陵が走り、東には太平洋、北には津軽海峡が広がります。本州の最北東端に位置する尻屋崎は、白亜の灯台と寒立馬で知られ、観光名所となっています。

地理

東通村は、下北半島の北東端を占め、太平洋と津軽海峡に面しています。村の中央部には低い下北丘陵が南北に連なり、東側の海岸線には砂丘や沼が点在しています。村の最高峰は桑畑山で、尻屋崎との間には寒立馬が放牧される平原が広がっています。西側は田名部平野に接し、むつ市と隣接しています。集落は主に海岸線沿いに点在しており、村の中心部には役場などの行政施設や住宅団地が整備されています。また、東部には東通原子力発電所が立地しています。気候は西岸海洋性気候に属し、年間を通して比較的温暖です。

山

桑畑山 (402m)
片崎山 (300m)

砂丘

猿ヶ森砂丘

河川

田名部川

湖沼

小沼
妹沼
長沼
大沼
タテ沼
左京沼

歴史

1889年（明治22年）の町村制施行により、複数の村が合併して東通村が誕生しました。当初、村役場は田名部町（現在のむつ市）に置かれていましたが、1988年（昭和63年）に村内へ移転しました。これは、当時の村内道路が未整備だったことが主な理由でした。村外に役場を置いていた事例は珍しく、陸続きの自治体としては極めて異例でした。

行政

東通村は、東通原子力発電所の誘致により安定した財源が見込めるため、周辺市町村との合併には慎重な姿勢をとっています。しかし、村が整備した住宅団地の売れ残りや財政赤字といった課題も抱えており、新たな町づくりが進んでいない現状があります。

産業

東通村は、エネルギー産業が主要な産業となっています。

エネルギー産業

原子力: 東通原子力発電所があり、村の財政を支えています。
風力発電: 岩屋ウインドファームなど、再生可能エネルギーの導入も進んでいます。

漁業

尻屋漁港をはじめ、複数の漁港が整備されており、漁業も重要な産業です。

農業

近年では、端境期を狙ったイチゴ栽培が盛んに行われています。

セメント工業

三菱マテリアル株式会社青森工場が立地しています。

鉱業

日鉄鉱業株式会社尻屋鉱業所があります。

郵便

村内には複数の郵便局が点在しています。

地域

人口

平成27年の国勢調査では、人口は6,607人で、前回調査から8.89％減少しています。

教育

東通村では、過去に学校数が多かったものの、学力調査の結果が芳しくありませんでした。そのため、教育改革に取り組み、2008年から中学校を1校に、2009年には小学校を1校に統合しました。また、全国公募で教員を採用し、少人数教育や習熟度別授業を導入するなど、教育環境の整備に力を入れています。さらに、幼小中一貫教育を推進しており、2012年には認定こども園を設置しています。

小学校

東通村立東通小学校

中学校

東通村立東通中学校

警察

むつ警察署の管轄下にあり、村内には複数の駐在所があります。

消防

下北地域広域行政事務組合東通消防署が、村内の消防活動を担っています。

交通

鉄道

村内には鉄道路線は通っていません。最寄りの駅はJR大湊線の下北駅です。

バス

下北交通の路線バスが、むつ市と六ヶ所[[村]]を結ぶ路線が、東通村内を経由しています。

道路

国道338号や主要地方道が村内を通り、交通の要となっています。

名所・旧跡・観光

尻屋崎: 本州最北東端の岬で、灯台と寒立馬が有名です。
ヒバの埋没林: 猿ヶ森にあります。
左京沼: 天然記念物のマリモが生息しています。
桑畑山のツツジ: 春には美しいツツジが咲き誇ります。
浜尻屋貝塚: アワビを主体とする中世の貝塚で、国の史跡に指定されています。

施設

防衛省海上自衛隊海洋業務・対潜支援群下北海洋観測所
防衛装備庁下北試験場

出身有名人

手間本北栄（彩書家）

東通村は、自然と歴史、そして新しいエネルギーが共存する、魅力的な村です。原子力発電所という特徴的な施設がある一方で、過疎化や財政問題という課題も抱えています。しかし、教育改革をはじめとする様々な取り組みを通して、新たな未来を切り開こうとしています。

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