大漢民族主義

大漢民族主義

大漢民族主義とは、漢民族の文化を至上のものと捉える思想、および漢民族の復興を目標とする活動を指します。ただし、その定義は明確に確立されているわけではありません。中国国内では「大漢族主義(dahanminzuzhuyi)」または「漢本位(hanbenwei)」という言葉が用いられます。

この言葉がいつ頃から使われ始めたのかは正確には分かっていませんが、比較的初期の例として1953年3月16日の毛沢東による「批判大漢族主義」という記述があります。また、かつて中国共産党がこの言葉の定義を試みたこともあります。

歴史と現状

中国の長い歴史の中で、漢民族と北方の少数民族はそれぞれの独自の文化や習慣を育み、交流を重ねてきました。漢民族は主に農耕を、北方の少数民族は遊牧を生業としていました。しかし、気候変動などの自然災害によって生活物資が不足すると、北方の少数民族は南下を繰り返し、農耕を営む漢民族との間で衝突が頻発しました。少数民族の南下は、結果として民族融合を促進する側面もありましたが、農耕文明の発展を阻害する要因ともなりました。また、戦乱などを避けるため、漢民族も南下を繰り返し、南方の少数民族との関係を深めました。これらの過程を経て、南北の民族間で風俗や習慣の交流が進みました.

現代中国では、中国共産党が民族平等政策を掲げ、少数民族の権利保護を推進しています。例えば、少数民族の多くは独自の言語を持っていますが、試験は標準語で行われることが一般的です。公平性を考慮し、多くの地域では少数民族がそれぞれの言語で試験を受けることができるよう配慮されています。しかし、漢民族との区別がつかないほど漢民族化している少数民族も存在し、特に都市部に住む少数民族はその傾向が顕著です。政府はこれらの少数民族に対し、漢民族よりも優遇される規定を設けていますが、この民族政策の矛盾が一部の漢民族の不満を招いています。

21世紀に入り、中国の漢民族の間で「漢民族、漢文化（華夏文化）の復興」を唱える動きが活発化しています。この運動の担い手は主に会社員や大学生であり、「漢服復興運動」、「国学復興運動」、「読経運動」などが各地で展開されています。しかし、一部の参加者に見られる過激な言動は、民族主義的な傾向を帯びていると指摘されています。

関連項目

中華帝国
2050年極東マップ、太平洋分割管理構想
* 中国ナチス

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