大瑞線

大瑞線について

大瑞線は、中国雲南省大理ペー族自治州の大理駅から、保山市を経由してミャンマー国境に近い瑞麗市までを結ぶ鉄道路線です。全長336.24kmの単線電化路線であり、大理駅で広大線と接続しています。この路線は中国の第1級路線に指定されており、設計最高速度は140km/hです。

現在、大理〜保山間が先行して部分開業しており、残る保山〜瑞麗間の開通が待たれています。山岳地帯を走るため、トンネルと橋梁が線路全体の75%を占めるという特徴があります。また、瑞麗からはミャンマーへの国際路線建設も構想されており、今後の発展が期待されています。

歴史

大瑞線の建設は、2008年6月に大理〜保山間で開始されました。その後、2015年12月1日に保山〜瑞麗間も着工されました。

特に注目されるのは、大理〜保山間にある大柱山トンネルと杉陽トンネルの掘削です。大柱山トンネルは、全長14,500メートルで、瀾滄江の大断層と保山の褶曲帯が交差する複雑な地層を貫く必要がありました。その結果、掘削工事には12年という長い年月を要し、中国メディアからは「掘削が最も困難な鉄道トンネル」と評されています。

また、杉陽トンネルは、全長13,390メートルで、6つの大規模な断層破砕帯が存在する難所でした。2008年の掘削開始以来、地滑りや泥噴出、出水などの事故に700回以上遭遇し、貫通まで14年を要しました。しかし、このトンネルの貫通によって、先行工事区間で計画されていた21本のトンネルが全て完成しました。

2022年7月22日には、大理〜保山間が先行開業しました。

運転状況

開業当初の運転本数は、旅客列車が7往復、貨物列車が5往復です。旅客列車のうち3往復は昆明〜保山間を直通で運行し、残りの4往復は大理〜保山間の区間列車として運行されています。



大瑞線は、中国の鉄道技術の粋を集めた路線であり、今後、中国とミャンマー間の物流や人の移動を円滑にする上で重要な役割を果たすことが期待されています。

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