大田和正

大田 和正（おおた かずまさ）氏は、1966年12月29日に沖縄県名護市で生まれました。1990年代を中心に、琉球放送（RBCラジオ）のローカルタレントおよびラジオパーソナリティとして、特に沖縄のリスナーに親しまれました。「クロマル」というニックネームで広く知られています。

沖縄国際大学を卒業した1990年4月、大田氏は琉球放送にラジオカーリポーターとして入社しました。キャリアの第一歩は、午後ワイド番組内のコーナー「ここほれワンワン ほり出し中古車情報」のリポーターでした。現場でのリポート能力が高く評価され、同年10月には、当時高い人気を誇っていた深夜の看板ローカル番組「ラジオジャック」の月曜日アシスタントに抜擢されます。この時期のメインパーソナリティは箕田和男アナウンサーでした。

デビュー当初の数ヶ月間は本名の大田和正として活動していましたが、肌の色が色黒であったこと、そして「ラジオジャック」内のラジオドラマ「怪傑白頭巾」（テレビ時代劇「怪傑黒頭巾」のパロディ）で演じた「クロマル」役がリスナーに強い印象を与え、その役名がそのままニックネーム、さらには実質的な芸名として定着しました。

「ラジオジャック」でのアシスタントとしての活躍を経て、1992年10月5日には、箕田アナの後任として同番組月曜日のメインパーソナリティへと昇格しました。その後の1993年10月からは、「ラジオジャック」の後番組としてスタートした「ラジ・ゲリラ」でも引き続き木曜日のパーソナリティを担当。この番組では、人気ダンス＆ボーカルグループDA PUMPのリーダー、ISSA氏の姉である元アイドルの里中茶美氏がアシスタントを務めました。さらに、1995年からはコカ・コーラ提供の企画ネット番組「ナマやさ HOT WAVE」のパーソナリティも兼任し、活動の幅を広げました。

1997年4月には、自身がメインを務める番組「クロマルのPowerRadio」が日曜夕方にスタート。この番組は、那覇を中心とした一般的な沖縄ローカル番組とは異なり、大田氏の出身地である沖縄本島北部、通称「山原（やんばる）」地域に焦点を当てた、地域密着型の番組として多くの支持を集めました。RBCラジオでは当時、山原のほかにも宮古島や八重山諸島など、地域ごとの特色を活かした番組が放送されており、「クロマルのPowerRadio」もその一つとして、山原の活性化や情報発信に貢献しました。

しかし、2000年頃に「クロマルのPowerRadio」が終了するのとほぼ同時に、大田氏はラジオパーソナリティとしての第一線から退きました。活動休止期間を経て、2004年10月に琉球放送が開局50周年を迎えた際に放送された記念特別番組に、久しぶりにゲストとして登場し、多くのリスナーを喜ばせました。

人物像としては、高校時代にボクシングの経験があり、沖縄県出身のプロボクサーである名護明彦氏を熱心に応援していました。また、地域貢献活動に積極的で、沖縄県内だけでなく、時には日本本土や海外にも足を運び、交流を深めていたとされています。なお、琉球放送の専属タレントのような立ち位置だったため、他局の番組に出演することはほとんどありませんでした。

主な担当番組には、キャリア初期の「ここほれワンワン ほり出し中古車情報」や、人気番組「ラジオジャック」、「ラジ・ゲリラ」、そして地域貢献を掲げた「クロマルのPowerRadio」などがあります。テレビ番組としては「おきなわ愛ランド」にも出演していました。また、「クロマルの以心伝心しあわせクイズ」といったユニークなラジオ番組も手掛けています。

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