大白蓮華

大白蓮華（だいびゃくれんげ）

概要

『大白蓮華』は、日本の在家仏教系新宗教団体である創価学会が発行する月刊機関誌です。発行元は聖教新聞社で、主に創価学会の会員および会友を対象としています。1949年（昭和24年）7月、当時の創価学会理事長であった戸田城聖氏（後の第2代会長）によって創刊されました。創刊号には、「信心倍増のため」そして「世間一般の啓蒙のため」という目的が記されています。

本誌は、通常120ページ前後で構成されています。購読料は月額250円（税込）で、創価学会員世帯には地域の聖教新聞配達員や委託先の読売新聞配達員が配達します。会員以外でも、創価学会の会館内にある「出版コーナー」をはじめ、学会系を中心とした一般書店、Amazon.co.jpなどのオンライン書店、コンビニ受け取り型の通信販売、電子書籍ストアなど、多様な方法で入手が可能です。

主な内容

『大白蓮華』には、創価学会の信仰活動や教学に関する様々な情報が掲載されています。主なコーナーには以下のようなものがあります。

巻頭言

創刊以来、戸田城聖氏、池田大作氏（第3代会長）、北条浩氏（第4代会長）、秋谷栄之助氏（第5代会長）といった歴代会長が執筆してきました。特に、秋谷氏に代わり2006年3月号から池田氏名義で執筆が続けられ、2023年12月号まで掲載されました。池田氏の死去に伴い、2024年1月号からは第6代会長である原田稔氏が執筆を引き継いでいます。

企画

全国各地で行われた活動の歴史や、池田氏の海外訪問、地方指導などの詳細が紹介されます。ここに掲載される内容は、創価学会の「正史」として位置づけられており、一部人物名が変更されている『人間革命』シリーズとは異なり、変名を用いない事実に基づいた記述が多いため、学会外部の研究者にとっては貴重な資料となっています。過去には聖教新聞の連載と連携したり、本誌の企画が他の学会系雑誌に再掲載されることもありました。

池田大作の講義

日蓮大聖人の著作である「御書」の解説が紙上講義形式で掲載されます。これらの講義内容は、後日単行本としてまとめられることがよくあります。池田氏による最後の紙上講義は、2022年11月号から2023年12月号まで掲載された「御義口伝要文編講義」でした。2024年1月号以降は、過去の講義内容を再編集したものが掲載されています。

あしおと

会員自身の信仰体験談が掲載されるコーナーです。

拝読御書の解説

創価学会の各種会合（座談会、研修会など）で使用される「御書」の解説が掲載されます。全体対象の「座談会拝読御書」の他、研修用教材や婦人部向けの解説などがあります。「座談会拝読御書」は、未来部員向けの機関紙でも同一の出典が使用されています。座談会などには、最新号や掲載された聖教新聞を持参することが推奨されています。

池田大作の指導選集 「幸福と平和を創る智慧」

池田氏の過去の講演や著作からの抜粋が掲載されるコーナーです。

その他

この他にも、青年部出身の著名人へのインタビュー企画「シリーズ You:th 時代の主人公は、あなた」や、読者の投稿を紹介するコーナーなどがあります。過去には創作童話が連載されたり、近年は池田氏の和歌を収めた記念カードが付録として挿入されたこともありました。

教学試験との関連

『大白蓮華』は、創価学会が実施する「教学試験」において、極めて重要な教材・情報源としての役割を担っています。教学試験には、学会員以外でも受験可能な「教学部任用試験 (仏法入門)」や、青年部、壮年部・婦人部向けの試験があります。

教学試験の時期には、出題範囲の解説が本誌に掲載されるか、臨時増刊号や単行本として発行されます。特に任用試験では、本誌に掲載された「座談会拝読御書」や「教学入門」「世界広布と創価学会」といった試験範囲の内容が教材となります。近年では、試験範囲の解説に音声解説機能が付加されたり、マークシート方式の導入に合わせて、聖教新聞で解説記事が掲載されるなど、教材としての提供形態も変化しています。

教学試験は受験資格が定められており、合格すると教学資格が得られます。例えば、任用試験合格で「教学部助師」の資格が得られ、会友は正式な入会資格を得ます。青年部教学試験の合格者は、壮年部・婦人部へ移行する際に資格が切り替わります。

1990年代に創価学会が日蓮正宗から破門されて以降、教学試験の出題範囲には対立教団を批判する項目が含まれるようになり、それに伴い、本誌の誌上でも対立教団への批判記事が掲載されることがあります。

歴史的節目

創刊以来、節目となる通巻号では記念号が発行されることがあります。近年では、2008年5月号が700号、2016年6月号が800号の記念号として発行されました。

特記事項

2018年1月号において、戸田城聖氏の誕生日を「祥月命日」と誤記する出来事があり、聖教新聞で訂正記事が掲載されました。学会の機関誌として、元会長の誕生日と命日を間違えたことは、一般メディアでも話題となりました。

このように、『大白蓮華』は創価学会の活動を支え、会員の信仰心を深めるための多岐にわたる情報を提供する、中心的な出版物と言えます。

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