大科学実験

NHK Eテレ「大科学実験」とは

『大科学実験』（だいかがくじっけん）は、NHK Eテレで2010年から放送されている科学実験番組です。正式名称は「大科学実験 discover science」。NHK、NHKエデュケーショナル、アル・ジャジーラ子どもチャンネル（JCC）の共同制作で始まりました。その後、南西ドイツ放送協会（SWR）、南アフリカ放送協会（SABC）、スウェーデン教育放送（UR）、台湾公共放送（PTS）など、多くの海外放送局とも共同制作を行っています。

番組の特徴は、難しい数式や専門用語を使わず、身近な自然現象や科学の法則を実験を通して検証していく点です。実験は、室内で手軽に行えるものから、屋外で大掛かりな機材を使うものまで様々です。CGは一切使用せず、ピンク、イエロー、ブルーの実験レンジャーが、無言で実験準備から検証までを淡々と進めていくスタイルが特徴的です。

ナレーションはミュージシャンの細野晴臣さんが担当しており、その独特の語り口も番組の魅力の一つです。番組冒頭では「誰もが当たり前だと思っている自然の法則や科学の知識。でも、それは本当なのでしょうか？　答えは、やってみなくちゃ分からない、大科学実験で」という決まり文句で始まり、番組最後は「だから、やってみなくちゃ分からない、大科学実験で」と締めくくられます。

番組内容

番組のテーマは「やってみなくちゃわからない」。日常で当たり前だと思われている現象が、本当にそうなのかを実験で検証します。例えば、風船や水を使った簡単な実験から、巨大なクレーンや飛行機を使った大掛かりな実験まで、毎回様々な実験が登場します。

実験を行うのは、ピンク、イエロー、ブルーの3色の実験レンジャーです。彼らは言葉を発することなく、それぞれの役割を淡々とこなしていきます。ピンクは実験に果敢に挑むチャレンジャー、イエローは実験を円滑に進めるディレクター、ブルーはハイスピードカメラを駆使して実験の様子を撮影するテクノロジストという役割です。

番組は、実験の過程を詳細に映し出すことで、視聴者が科学的な思考を育むことができるように工夫されています。また、ナレーションの細野晴臣さんの語り口も、番組の雰囲気を盛り上げる要素の一つです。

放送時間

放送時間は年度によって異なりますが、主にNHK Eテレで放送されています。2010年度から2021年度までの主な放送時間は以下の通りです。

2010年度：水曜日 19:40 - 19:50 (本放送)
2011年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2012年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2013年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2014年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2015年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2016年度：土曜日 19:45 - 19:55 (本放送)
2017年度：火曜日 9:50 - 10:00 (2017年4月 - 9月)
2018年度：金曜日 15:30 - 15:40（2018年10月 - 2019年3月）
2019年度：金曜日 15:30 - 15:40（2019年10月 - 2020年3月）
2020年度：火曜日 10:05 - 10:15（2020年10月 - 2021年3月）
2021年度：土曜日 19:45 - 19:55（2021年4月10日 - 2021年10月2日）

また、JR東日本のトレインチャンネルでも、同番組をモチーフにした「60秒でわかる大科学実験」が放映されています。

受賞歴

「大科学実験」は、国内外で数々の賞を受賞しています。

2010年 ABU賞 最優秀賞
第37回日本賞 文部科学大臣賞
アジアテレビジョンアワード2010 最優秀子供向け番組賞
バンコク科学フィルムフェスティバル2010 最優秀教育賞
ニューヨークフェスティバル2011 テレビ＆フィルム賞 教育部門銀賞
US国際映画祭2011 教育部門 定時エンターテインメント部門2位

海外での放送

台湾では、公共電視文化事業基金会が『科學玩很大』のタイトルで放送しています。世界各国でも放送され、高い評価を得ています。

まとめ

「大科学実験」は、科学の面白さを伝えるだけでなく、実験を通して物事を多角的に捉える力を養うことができる教育番組です。子どもから大人まで楽しめる内容で、科学への興味を深めるきっかけとなるでしょう。

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