大竹宏

大竹 宏（おおたけ ひろし）

日本の俳優・声優であり、1932年3月14日に神奈川県川崎市に生まれ、2022年8月1日に東京都で急性心不全により亡くなりました。彼は最終的に81プロデュースに所属し、90歳という長い人生を全うしました。

生い立ちと教育

大竹は幼少期に東京府東京市神田区に家族と共に移住し、自らを「江戸っ子」と名乗るほど、この地で成長しました。明治大学付属明治高等学校では手先が器用で美術に秀でており、中学高校時代は美術部に所属。さらに演劇部に所属し、部長を務めたことから、演技にも情熱を抱くようになります。彼のカリスマ性と才能は、劇団ちどりでの活動を通じて開花し、舞台監督としての経験も積むこととなりました。

キャリアの軌跡

1953年のNHKの公開ラジオ番組『犯人は誰だ』で初めて出演し、その後、草創期のテレビやラジオでも活動を開始します。大竹はNHKの人形劇『アシンと十三人の盗賊』や『ガンツ君』などで声優としてのキャリアを築き、1966年からはフジテレビの子供向け番組『ママとあそぼう!ピンポンパン』に出演し、カータンの声と着ぐるみの操演を担当しました。この作品では16年間もレギュラーとして活躍を続け、当初は着ぐるみの操演業務に緊張したこともあったものの、徐々にその役を楽しむようになりました。

声優業にも多くのアニメ作品に出演し、特に『狼少年ケン』のブラック役や、『マジンガーZ』のボス役で広く知られています。彼の表現力は特に動物役において評価され、「彼よりも動物を演じる者はいない」との誉れを持ちました。このような多彩なキャラクターを演じる中で、1970年代から80年代にかけて数多くのアニメや劇場版に関わることとなります。

復帰と晩年

1991年に一時休業し、1995年には『超力戦隊オーレンジャー』で復帰。その後も精力的に活動を続け、2015年には81プロデュースに所属し、声優アワードでも功労賞を受賞しました。晩年には健康状態も良好でしたが、急性心不全により90歳という年齢で他界しました。

人物像

大竹の声質は「明るく賑やかな特異なテノール」であり、特に三枚目役を得意とし、感情表現に富んだ動物役でも知られていました。彼は声優としての姿勢に誇りを持ちながら、後進の育成にも力を入れる教育者としても活動しました。

趣味・特技

スポーツ全般やイラスト、指笛、ハーモニカの演奏も得意としており多才な一面を持っていました。大竹は自作の絵を交えたパフォーマンスでも知られており、趣味が高じて芸術的な表現としてもその才能を発揮しました。彼の生涯は、多くの人々に感動と影響を与えました。

もう一度検索