大聖勝軍寺

大聖勝軍寺（たいせいしょうぐんじ）

大聖勝軍寺は、大阪府八尾市太子堂に位置する高野山真言宗の寺院です。神妙椋樹山と号し、本尊には如意輪観音を祀っています。聖徳太子によって創建されたと伝えられ、旧奈良街道沿いに佇む、歴史ある寺院です。

歴史

寺伝によれば、用明天皇2年（587年）、聖徳太子が物部守屋との戦いの際、戦勝を祈願し、勝利したことから四天王を祀る寺院として建立されました。一説には、聖徳太子が守屋の大軍に包囲された際、椋の大木に身を隠して難を逃れたとされ、その椋の木で自身の像を刻み、四天王像を祀ったのが始まりとも伝えられています。

推古天皇2年（594年）には、椋の木の徳を称え、「神妙椋樹山」の山号と「大聖勝軍寺」の寺号が贈られました。天平勝宝8歳（756年）には聖武上皇より「大聖勝軍鎮護国家寺」の称号を授けられ、勅願寺となりました。

かつては宝積院、龍華院、日羅院などの僧坊がありましたが、現在は本堂（太子堂）を中心に、地蔵堂、多宝塔、毘沙門堂などが境内に建ち並んでいます。

境内

本堂（太子堂）：聖徳太子を祀る本堂。
地蔵堂：六角形の堂。
多宝塔「平和塔」：物部守屋像と聖徳太子像が祀られています。
毘沙門堂：毘沙門天を祀る。
庫裏
弘法大師像
新太子堂（新本堂）
神妙椋樹：ムクの御神木の中に聖徳太子像がある。
馬蹄石：聖徳太子の馬の蹄の跡が残されているという。
鎮守社
大聖不動明王：一願不動尊。
救世観世音菩薩像
鐘楼
山門：寺の入り口に立つ。
聖徳太子と四天王像
守屋池（守屋首洗池）：秦河勝が物部守屋の首を洗ったとされる池。現在は水はない。

文化財

大聖勝軍寺には、数多くの文化財が所蔵されています。

大阪府指定有形文化財
木造二臂如意輪観音思惟半跏像及び同胎内仏金銅菩薩思惟半跏像
木造四天王像 4躯
木造毘沙門天像
色々威胴丸 兜､広袖付
八尾市指定有形文化財
絹本著色聖徳太子絵伝 長谷川永信作 4面
絹本著色馬上太子像
木造聖徳太子孝養像・二王子立像 3躯
絹本着色焰摩天像
絹本着色子島荒神像

札所

河内西国霊場 第1番札所
聖徳太子霊跡 第2番札所
河内飛鳥古寺霊場 第3番札所
河内飛鳥七福神（毘沙門天）

周辺情報

大聖勝軍寺の東には、物部守屋の墓があります。また、守屋を倒した矢を埋めたとされる鏑矢塚や、弓を埋めたとされる弓代塚も周辺に点在しています。

年中行事

4月22日 - 聖徳太子会式法要
8月15・16日 - 絵燈籠供養
春と秋の彼岸中日 - 彼岸法要

所在地

大阪府八尾市太子堂3丁目3-16

アクセス

JR大和路線 八尾駅からバスまたは徒歩約18分
JR大和路線 久宝寺駅から徒歩約24分
* 近鉄大阪線 近鉄八尾駅からバス「藤井寺駅」行きで「太子堂」下車すぐ

大聖勝軍寺は、聖徳太子ゆかりの寺院として、多くの人々に親しまれています。歴史と文化に触れられるこの場所を、ぜひ一度訪れてみてください。

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