大舘佐子

大舘佐子（おおだち さこ・さんこ・さんご）

大舘佐子は、室町時代に生きた女性であり、生没年は不詳です。室町幕府の有力な幕臣であった大舘持房の娘として生まれ、8代将軍足利義政の側室となりました。

名前について

史料には「一対局（於さこ）」という名も見られ、「佐子局」と呼ばれていたと考えられています。「佐子」は個人名というよりも、足利将軍に近侍した大舘氏出身の女性が名乗る名乗りであったとする説もあります。足利義晴に仕えた三淵晴員の姉も「佐子局」を名乗っており、彼女はさらに大舘尚氏（常興）の養女であったとも言われています。

また、『佐々木亭御成記』には、若公（後の足利義輝）の乗輿に同乗・随行していた女性の中に「御佐子」と呼ばれる小上臈がいたという記述があります。この女性は大舘尚氏の実娘で、後に足利義晴の側室になったと推定されています。

研究者によっては、「さんこ」とし、「さんご」と読むこともあります。

生涯

大舘佐子は、康正元年（1455年）1月に足利義政との間に娘（舜長老）を産みました。彼女は、大舘氏の出身でしたが、同族で権勢を強めた今参局とは縁が遠かったため、今参局が失脚した際に連座して御所を追放されました。しかし、今参局のように日野富子によって自刃させられることはありませんでした。

延徳2年（1490年）に義政が死去すると、佐子は出家して尼となり陽西院と号しました。義政との間に生まれた娘も出家して尼となっています。甥の尚氏の子孫は、その後も幕臣として続きました。

大舘佐子は、激動の室町時代を生きた女性であり、将軍の側室として、また一人の女性として、その生涯は様々な出来事に彩られていました。

参考文献

「鎌倉・室町人名事典」（新人物往来社）
「ビジュアル日本史ヒロイン1000人」（世界文化社）

関連作品

『花の乱』（NHK大河ドラマ） 演：鶴田真由 ※役名は大舘佐子→蛍火
ドラマでは、今参局の死後に名を変えて遊女に身を落とし、最終的に骨皮道賢と夫婦になるという設定になっています。

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