大船渡市民文化会館・市立図書館 リアスホール

大船渡市民文化会館・市立図書館リアスホール

岩手県大船渡市に位置する大船渡市民文化会館・市立図書館リアスホールは、市民の文化活動と学習を支える複合施設です。正式名称は「大船渡市民文化会館及び大船渡市立図書館」であり、地域住民にとって重要な文化拠点となっています。

概要

リアスホールは、大船渡市街から少し離れた場所に位置し、周辺の自然環境と調和するよう設計されています。特に目を引くのは、地域の名勝である「穴通磯」をモチーフにしたデザインです。このデザインは、三陸の海をイメージしており、館内にもそのコンセプトが反映されています。例えば、ホール内の天井は空に浮かぶ雲を、壁は打ち寄せる波を、客席は岩や船団を、そして座席のモケットはさざ波を表現しており、訪れる人々に海の雰囲気を伝えます。

設計を手がけたのは建築家の新居千秋氏です。新居氏が設計した水戸市立西部図書館が市長の指名に基づき設計されたのに対し、リアスホールはプロポーザル方式で選ばれました。さらに、50回を超えるワークショップを通じて市民の意見を反映させた点が特徴です。当初は市民会館として計画されていましたが、ワークショップを重ねる中で市民の要望に応え、図書館機能が追加されました。この結果、市民会館と図書館の複合施設となり、施設全体の稼働率向上、費用圧縮にもつながりました。

また、リアスホールはその優れたデザインと機能性が評価され、2009年には日本建築大賞を受賞しています。

施設

リアスホールは、以下の施設で構成されています。

大船渡市立図書館

大船渡市立図書館は、市民の学習と情報収集をサポートする施設です。原則として大船渡市在住、または市内に通勤・通学している人が対象ですが、当面の間は陸前高田市と住田町の住民も資料の貸し出しが可能です。

開館時間

平日: 9:00 - 19:00
土曜日・日曜日・祝日: 9:00 - 17:00

休館日

毎週火曜日
年末年始（12月29日 - 1月3日）
蔵書点検期間（不定期）

大船渡市民文化会館

大船渡市民文化会館は、文化・芸術活動の拠点となる施設です。以下のような施設があります。

大ホール

客席数: 1,100席
1階: 670席（椅子席652席、車椅子席10席、親子席8席）
2階: 430席
舞台面積: 542.21平方メートル

マルチスペース

客席数: 244席
面積: 246.05平方メートル

その他施設

会議室
展示ギャラリー
アトリエ
和室・茶室
スタジオ
練習室

東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、大船渡市も甚大な被害を受けました。リアスホールは津波の被害を免れましたが、館内では本の落下、照明の故障、郷土資料の水濡れなどの被害が発生しました。震災後は、約270人が寝泊まりする避難所として使用されました。

周辺施設

大船渡警察署

参考文献

藤村龍至「水戸・大船渡・紫波―三つの複合型図書館から見る「複合」の時代的意味―」『図書館雑誌』第110巻第4号、日本図書館協会、2016年4月、214-217頁、NAID 40020782738。

関連項目

由利本荘市文化交流館 カダーレ：リアスホールと同じく新居千秋氏が設計を手がけた複合文化施設。デザイン面で類似点が見られます。
小田和正：リアスホールの開館時にこけら落とし公演を行いました。

外部リンク

大船渡市民文化会館市立図書館

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