大船渡湾

大船渡湾

大船渡湾は、岩手県南東部に位置する、太平洋に面した湾です。リアス式海岸特有の複雑な地形を持ち、湾口から奥に向かってL字型に屈曲しています。湾の奥行きは約6km、面積は7.89平方キロメートルで、湾口の幅はわずか0.2kmと狭くなっています。

地理と特徴

大船渡湾は、その複雑な形状と狭い湾口が特徴です。湾内には、広域漁港としての大船渡漁港があり、湾奥には大船渡市の市街地と重要港湾である大船渡港が位置しています。湾には、盛川をはじめ、須崎川や後ノ入川などの小河川が流れ込んでいます。

防波堤と津波対策

1963年には、津波対策として大船渡湾口防波堤が建設されました。この防波堤は、海底からの水深38mの地点に設置され、潜堤を含めて水深16mまで堤防が作られていました。全長736mに及ぶこの防波堤は、湾口全体をカバーするもので、海面上には北堤43.7m、南堤291.0mが突出していました。しかし、2011年の東日本大震災に伴う津波により、この防波堤は倒壊してしまいました。

震災後、津波対策の見直しが行われ、想定対象を従来のチリ地震津波規模から明治三陸地震津波規模に拡大し、防波堤をより強固に拡大・復旧する計画が立てられました。

水質問題と環境

大船渡湾では、カキなどの養殖が盛んですが、湾口が狭く閉鎖的な水域であるため、以前から水質汚濁が懸念されていました。湾口防波堤の存在や市街地化による水質悪化が見られましたが、下水道の整備などにより改善が進められてきました。東日本大震災により湾口防波堤が倒壊したことで、一時的に水質が改善されるという現象も発生しました。そのため、防波堤の復旧にあたっては、水質維持も重要な課題として考慮されることになりました。

外部リンク

* 『大船渡湾』 - コトバンク

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