大花上

大花上について

大花上（だいけじょう、または大華上）は、7世紀の日本に存在した冠位のひとつで、649年から664年の間に用いられていました。この冠位は、当時の位階制度の重要な一部であり、19階の中で7番目の位に位置しています。そのため、他の冠位と区別される特異な役割を持ちました。大花上は小紫の下、大花下の上にあたる層であり、実際の権力や社会における地位を意味しました。

この冠位は、大化元年（645年）の冠位19階の制度で初めて設けられました。この制度は、当時の日本における官僚制度や位階制度の整備を目的としており、権力のヒエラルキーを明確にするものです。大花上は、かつて存在していた大錦という位を分けた二つの冠位のひとつであり、もう一つは大花下です。この分割によって、位階の運用がより細分化され、政治的な組織が洗練されていくこととなりました。

当時の天智天皇3年（664年）には、新たに冠位26階の制度が導入され、大花という呼称が大錦に戻されました。この新制度では、大錦上、大錦中、大錦下という形で階級が再編成され、大花上はこの流れに押し流される形で姿を消していきました。

このように、大花上の位を持つ人物は、『日本書紀』には記録されていないものの、『続日本紀』や他の文献にはその名が確認されています。具体的には、大花上を受けたとされる人物には、大神利金や、難波朝（孝徳天皇の時代）での刑部尚書の高向国押、さらには物部宇麻乃（馬古）といった歴史的人物が存在します。

特に物部宇麻乃は、その名を冠位に持たせるにふさわしい活躍をしたことが伺えます。さらに、後世の史料である『先代旧事本紀』には難波朝における物部荒猪の名前が見られ、また『日本現報善悪霊異記』には孝徳天皇時代における大部屋栖野古の名前も記録されています。これらの人物は、大花上という冠位の重要性や、その社会的役割を示すものとして注目されています。

大花上は、日本の位階制度の変更と共に消えてしまいましたが、その存在は歴史の中で非常に重要な位置を占めています。この位階制度は、その後も日本の政治や社会の形成に影響を与え続けました。冠位の変遷は、当時の政治的な状況や権力構造を反映するものであり、また日本の歴史を理解するための手がかりともなります。

関連項目

• - 冠位制度の歴史
• - 日本の位階制度

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