大蔵種材

大蔵種材（おおくら の たねき）

大蔵種材は平安時代中期に活躍した貴族であり、武人です。彼は大蔵春実の孫で、大蔵種光の子として生まれました。官位は従五位下で、壱岐守としても知られています。さらに、彼は岩間将軍と称されたこともあります。

経歴

種材は、まず大宰少監としての役職に就きました。経歴の中で、特に注目すべきは寛弘4年（1007年）の事件です。彼の子息である満高が、大隅守・菅野重忠を射殺しました。この事件は、種材の指示に基づくものとされ、重忠の遺族から訴えられることとなりました。寛弘5年（1008年）5月の陣定では、その対応について議論が行われ、11月には種材が左衛門府の射場に拘束されました。

数ヶ月の拘留のあと、彼は寛弘6年（1009年）7月に放免されました。事件の具体的な原因は不明ですが、東京都の権益を巡る種材と受領国司重忠との対立が背景にあったと考えられています。特に、南島交易の利益を得るための加治木郷の開発を巡って二人の間には緊張が存在していたと見られています。

その後、種材は大宰大監に任命されました。寛仁3年（1019年）4月には刀伊の入寇が発生し、種材は70歳を超える高齢ながらも前線に立ち、大宰権帥・藤原隆家らと共に刀伊に対して応戦します。入寇が進行する中、刀伊が撤退しようとした際、彼は迅速に兵船の整備を待たずに追撃を実行する意向を筑前守兼大宰少弐・源道済に訴えました。

この意見は受け入れられましたが、刀伊の撤退が早かったため、実際には戦闘には至らず、彼の忠誠心は大宰府に評価されました。戦闘の結果、同年7月には入寇での功績が認められ、壱岐守に任じられることになります。1925年には、彼に対して従四位が追贈されました。

人物

大蔵種材は「天下無双の弓馬の達者」と称され、武力において優れた才を持っていたと言われています。彼の武人としての存在は当時の記録に残り、その名は武道における卓越性を象徴するものとなっています。

官歴

• - 寛仁3年（1019年）4月8日：見前大宰少監
• - 同年7月13日：壱岐守

家系

種材の父は大蔵種光であり、彼の母についての情報は不明です。彼には二人の男子である大蔵光弘と大蔵満高、また幾人かの女子がいました。

脚注

種材の生涯や業績は、今日でも興味深い対象として研究されています。彼の行動が与えた影響は、ごく限られた当時の文献により詳細に描かれています。

参考文献

• - 繁田信一『王朝貴族の悪だくみ: 清少納言、危機一髪』柏書房、2007年。ISBN 9784760130368。
• - 日隈正守「大隅守菅野重忠殺害事件の背景に関する一考察」『鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編』第68巻、鹿児島大学、2017年3月、53-60頁。
• - 宮崎康充編『国司補任 第四』続群書類従完成会、1990年。

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