大藤修

大藤修について

大藤修（おおとう おさむ）は、1948年5月生まれの日本の歴史学者です。東北大学の名誉教授であり、文学博士の学位を有しています。専門は日本近世史で、特に農民の生活、村落、社会構造、文化など多岐にわたるテーマを研究しています。

学歴と職歴

大藤修は、1971年に茨城大学人文学部文学科を卒業後、東北大学大学院文学研究科博士課程に進学。1975年に博士課程を中退し、国文学研究資料館の助手となりました。その後、1988年に同資料館の助教授に昇進。1993年には東北大学文学部の助教授となり、2000年には同研究科の教授に就任しました。2013年に東北大学を定年退任し、名誉教授の称号を得ています。

1994年には、博士論文「近世農民と家・村・国家 -生活史・社会史の視座から」で東北大学から文学博士号を授与されました。

研究内容

大藤修の研究は、近世日本の社会構造や文化、特に農民の生活や村落に焦点を当てています。彼の研究は、単なる歴史的事実の羅列ではなく、人々の生活史や社会史の視点から歴史を捉え直すことを目指しています。近世の農民が、どのように暮らし、どのような社会の中で生きていたのか、その実態を明らかにする研究は、歴史学の分野に大きな影響を与えました。

大藤修は、近世の村落における知恵や報徳仕法、人々のライフサイクル、姓や名前の歴史、そして学問と教育など、多岐にわたるテーマで研究を行っています。特に、二宮尊徳の研究は、人物叢書としても出版されており、その業績は広く知られています。

著書

大藤修は、多くの著書と論文を発表しており、その研究成果は広く社会に共有されています。主な著書としては、以下のようなものがあります。

『近世農民と家・村・国家 生活史・社会史の視座から』（吉川弘文館、1996年）
『近世の村と生活文化 村落から生まれた知恵と報徳仕法』（吉川弘文館、2001年）
『近世村人のライフサイクル』（山川出版社、2003年）
『仙台藩の学問と教育 江戸時代における仙台の学都化』（大崎八幡宮仙台・江戸学実行委員会、2009年）
『検証イールズ事件 占領下の学問の自由と大学自治』（清文堂出版、2010年）
『日本人の姓・苗字・名前』（吉川弘文館、2012年）
『二宮尊徳』（吉川弘文館、2015年）
『近世庶民社会論－生老死・「家」・性差』（吉川弘文館、2022年）

これらの著書は、いずれも緻密な史料分析と社会学的視点に基づいたもので、日本の近世史研究に不可欠なものとなっています。

参考文献

『日本人の姓・苗字・名前―人名に刻まれた歴史』吉川弘文館
J-GLOBAL - JST
* 研究者紹介 - 東北大学



大藤修の研究は、日本の歴史を深く理解する上で重要な貢献をしています。彼の業績は、今後も歴史学研究において、重要な参照点となるでしょう。

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