大衆社会党

大衆社会党（Bahujan Samaj Party）

大衆社会党（BSP）はインドの国政政党であり、特にカースト制度のもとで差別を受けてきたダリットの解放に取り組む団体です。党のシンボルには左向きの象が使われており、象は智慧や力の象徴とされています。

構成の歴史と背景

この党は1978年に設立された全インド後進少数コミュニティ被雇用者連盟（BAMCEF）や1982年に創設された被抑圧者社会闘争委員会（DS-4）の運動を基盤として、1984年に結党されました。ダリット解放の父とも称されるインド憲法の起草者、B.R. アンベードカルの影響を大きく受けており、彼の理念を体現した形で活動を展開しています。

党首と主要地域

現党首はウッタル・プラデーシュ州の首相を4期にわたって務めたマヤワティ・ナイナ・クマリです。この党は主にウッタル・プラデーシュ州に強い地盤を有しており、同州の選挙では高い支持を受けています。また、他の州にもその影響力を広げており、選挙管理委員会には「全国政党」として登録されています。

政策と政治的立場

大衆社会党の政策は「大衆」の福祉と生活水準の向上を重視しており、その立場は中道左派とみなされています。しかし、党は過去において、上層カーストを支持基盤とするインド人民党（BJP）と連立政権を形成することもあり、一方で中道左派のサマジワディ党（社会党）とは対立関係にあります。

選挙結果と今後の展望

2004年の連邦下院選挙では、ウッタル・プラデーシュ州の80議席のうち19議席を獲得し、党の勢力が増しました。2007年のウッタル・プラデーシュ州議会議員選挙では、予想を超えて過半数の議席を確保し、初の単独州政権を樹立しました。この成功の背景には、伝統的なカーストの枠を超え、上層カーストの候補者を積極的に擁立したことが挙げられます。これは有権者に対して安心感を与え、支持を集める要因となりました。

しかし、続く2009年の連邦下院選挙では期待された躍進が見られず、成績は微増の21議席にとどまりました。2014年の選挙では、BJPの躍進に直面し、全ての現有議席を失うという厳しい結果となりました。それにもかかわらず、2019年には再び10議席を獲得し、復調の兆しを見せています。

結論

大衆社会党は、カースト制度の克服とダリットの権利擁護に対して独自の政策を推進しており、インドの政治における重要なプレーヤーとなっています。今後の展開において、党がどのような戦略を取るのか、多くの注目が集まることでしょう。

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