サマジワディ党

サマージワーディー党について

サマージワーディー党（Samajwadi Party）は、1992年に設立されたインドの主要な政党で、主にウッタル・プラデーシュ州に強い影響力を持つ民主社会主義の政党です。日本語では「社会主義党」や「社会主義者党」とも訳され、その支持基盤には中位農民カーストのヤダーヴや後進カースト、さらにはイスラム教徒も含まれています。

この政党は、インド国民会議左派の系譜を持ち、設立当初から数回の選挙を経て、着実にその影響力を拡大してきました。特に、2002年のウッタル・プラデーシュ州議会議員選挙では初めて州議会で第1党となりましたが、その時は政権を獲得することができませんでした。しかし、2003年には政権に返り咲き、その後の2004年の連邦下院選挙では議席数を大きく増やし、第4党へと成長しています。

サマージワーディー党の党首であるムラーヤム・スィン・ヤーダヴさんは、党の中心的なリーダーとして幅広い支持を受けています。特に、彼のリーダーシップの下で党はポピュリズム的政策を打ち出すことが多く、ウッタル・プラデーシュ州ではヒンディー語だけでなくイスラム教徒の公用語であるウルドゥー語も採用されました。

また、党のナンバー2であるアマル・スィン書記長は、インド映画産業で影響力を持つボリウッドに深いつながりを持っています。さらに、著名な女優ジャヤー・バッチャンや元盗賊プーラン・デーヴィーもこの政党に所属していました。これらの人物の影響力は、党の政策や選挙戦にも大きく影響しています。

しかし、同党はインド国民会議との関係が良好とは言えず、2007年の州議会議員選挙では競合する大衆社会党に負けました。それでも、サマージワーディー党は堅実な支持基盤を持ち続け、特にウッタル・プラデーシュ州では常に影響力のある政党であり続けています。

2008年には米印原子力協力問題において左翼勢力が反対する中、同党は逆に政権支持に回ることでその地位を固めました。2019年の連邦下院選挙では、議席数は減少したものの、地元ウッタル・プラデーシュ州では引き続き最大党であり続けました。

また、2024年には連邦下院選挙で37議席を獲得し、インドの政界で第3党となるなど、歴史的な躍進を遂げています。現在、インド国民会議を中心に結成された野党連合「インド国家開発包括同盟」にも参加しており、連立政党としての役割を果たしています。

党のシンボルマークは自転車であり、これは党の支持的理念や政策を象徴しています。サマージワーディー党は、今後もインドにおける重要な政治勢力として存在感を高めていくことでしょう。

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