大衡道路

大衡道路（おおひらどうろ）

大衡道路は、宮城県黒川郡大衡村において整備が進められている国道4号の改良事業です。一見バイパスのように見える名称ですが、実際には国道4号の現道を4車線に拡幅する事業となっています。

概要

• - 起点: 宮城県黒川郡大衡村大衡字枛木（一本木交差点）
• - 終点: 宮城県黒川郡大衡村駒場字蕨崎（大崎市境）
• - 延長: 4.5km
• - 規格: 第3種第1級
• - 標準道路幅員: 24.0m
• - 車線数: 4車線
• - 車線幅員: 3.5m
• - 設計速度: 80km/h
• - 最急勾配: 2.5%

概説

宮城県は東北地方における産業の中心地であり、国道4号はその県内を南北に縦断する重要な幹線道路です。国道6号や国道45号、国道48号、国道47号などと共に、東北地方の道路ネットワークの基盤を形成し、東北自動車道などの高速道路を補完する役割を担っています。

しかし、国道4号は交通量が非常に多く、特に大衡村を中心とする約5kmの区間は、周辺区間の4車線化が進んだ後も2車線のまま残され、交通渋滞や事故が多発していました。この区間は歩道が未設置であるにも関わらずバス停が3箇所存在し、冬期間の積雪により歩行者が車道を歩行せざるを得ない状況も、安全性を脅かす要因となっていました。

また、近年では第二仙台北部中核工業団地内に自動車関連産業が集積し、地域経済の発展に貢献していますが、国道4号の交通渋滞がその阻害要因となっていました。三次医療施設である大崎市民病院への搬送においても、緊急車両の通行が妨げられるなど、村民の生命に関わる問題も発生していました。

大衡道路の整備は、これらの問題を解決し、国道4号の幹線道路としての機能を維持することを目的としています。整備により、宮城県内の白石市から大崎市までの区間が4〜6車線化され、東北自動車道の混雑時や通行止め時の迂回路としての役割も期待されています。

沿革

国道4号の交通問題は以前から認識されており、沿線自治体の首長で構成される「国道4号拡幅改良建設促進期成同盟会」が道路改良を要望してきました。これを受けて、国土交通省東北地方整備局が計画段階評価を実施し、沿線住民へのアンケート調査を行いました。その結果、住民は渋滞や安全確保を課題として捉えており、その解決を強く望んでいることが明らかになりました。

社会資本整備審議会では、現道拡幅案とバイパス整備案を比較検討した結果、既存市街地とのアクセス性や建設費などを考慮し、現道拡幅案が妥当であるとの結論に至りました。そして2016年1月には、現道拡幅に向けた都市計画決定が告示されました。

大衡道路は2016年度から事業が開始され、用地取得を経て工事に着手し、早期の供用開始を目指しています。計画では総事業費は約80億円が見込まれており、完成後の1日当たりの交通量は27,300台、費用便益比（B/C）は1.8と予測されています。

大衡字萱刈場 - 駒場字蕨崎の2.0 kmが2026年度までに4車線化される予定です。

関連項目

• - 東北地方の道路一覧

外部リンク

• - 国土交通省 仙台河川国道事務所

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