大連海事大学

大連海事大学（Dalian Maritime University）は、中国遼寧省大連市に位置する、海事分野を専門とする総合国立大学です。略称は「海大」で、英文名称はDalian Maritime Universityと表記されます。中華人民共和国国家交通運輸部（日本の国土交通省に相当）に直属する大学であり、「211工程国家重点大学」および「双一流大学・一流学科」にも指定されている、国内でも有数の名門大学です。

概要

大連海事大学は、海事関連分野および海洋運輸分野を主要な専門としていますが、法学、環境科学、人文社会科学、外国語など幅広い分野を網羅し、合計22の学部を擁しています。学生数は2万人を超え、中国国内における海事関連高等教育機関として、権威ある地位を確立しています。また、1983年には国連開発計画（UNDP）と国際海事機関（IMO）により、アジア太平洋地域国際海事訓練センターが設置され、1985年には世界海事大学の分校が設立されるなど、国際的な評価も非常に高い大学です。

早い段階からグローバルな視点を取り入れ、海外大学との学術交流を積極的に展開しています。現在では、世界27カ国、70校以上の大学と学術交流協定を締結しており、国際的な教育・研究活動を推進しています。

沿革

大連海事大学の起源は、1909年に上海高等実業学堂（現在の上海交通大学）に設立された船政科に遡ります。その後、以下のような変遷を経て、現在の大学に至ります。

1909年：上海高等実業学堂に船政科を設立（開学年とされている）
1912年：呉淞商船学校を設立
1926年：呉淞商船学校が呉淞商船高等専科学校に改称
1950年：呉淞商船学校と上海交通大学航業管理系が合併し、上海航務学院を設立
1953年：上海航務学院、東北航海学院、福建航海専科学校が合併し、大連海運学院を設立
1994年：大連海事大学に改称。江沢民国家主席が記念式典に出席
2009年：温家宝総理の列席のもと、百周年記念祭を挙行

組織

大学は以下の学部・学院・センター・研究所で構成されています（設立年）。

航海学学院（1992年）
船舶技術学院（1992年）
情報科学技術学院（2006年）
交通運輸学院（2008年）
交通・物流技術学院（2008年）
法律学院（1998年）
環境科学・技術学院（1995年）
人文科学社会学院（2000年）
外国語学院（2005年）
数学系（2005年）
物理系（2005年）
体育職業学院（1987年）
専業学位教育学院
継続教育学院（1956年）
船舶ナビゲーション・システム国家技術研究センター
航海運輸発展研究所
世界海事大学 大連分校

キャンパス

大連海事大学のキャンパスは、大連市中心部から車で約20分の場所に位置し、旅順南路に面しています。周辺には、大連高新技術園区（ハイテクゾーン）や大連ソフトウェアパークがあり、多くの国の人が働いています。

住所：遼寧省大連市凌海路1号（郵便番号：116026）

著名な卒業生

大連海事大学は、中国の海運・交通分野を牽引する多くの人材を輩出してきました。主な卒業生として以下の方々が挙げられます。

銭永昌：中華人民共和国国家交通運輸部部長、中央委員
陳政高：中華人民共和国住宅都市農村建設部部長
徐祖遠：中華人民共和国国家交通運輸部副部長
潘立剛：中華人民共和国全国政協常務委員、中央組織部副部長
洪善祥：中華人民共和国国家交通運輸部部長
劉松金：中華人民共和国国家交通運輸部副部長
朱正昌：山東大学総書記
方嘉德：中華全国総工会副主席
趙化明：遼寧省副省長
陳忠表：中国遠洋運輸集団取締役会会長
周祺芳：中集集団取締役会会長
庄衛華：ウォータールー大学教授、カナダ技術アカデミー会員
李科浚：中国船級協会会長、理事長、総裁
張建華：中国海運集団副総裁
魏家福：中国遠洋運輸集団取締役会会長
張良：中遠海運集団総経理
肖建国：北京大学方正技術研究院院長、方正グループ副総裁

関連項目

上海海事大学
世界海事大学

日本における協定校

大連海事大学は、日本の複数の大学と学術交流協定を締結しています。

九州大学
神戸大学
岡山大学
東京海洋大学
鹿児島大学
北陸先端科学技術大学院大学
明治大学
亜細亜大学
流通科学大学

交通

旅順南路バスの海事大学バス停
大連地下鉄1号線の海事大学駅

参考

大連海事大学 （中国語）
大学の概要 大連海事大学／中国の主要大学（Science Portal China）（日本語）

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