大進撃

大進撃（La Grande Vadrouille）

『大進撃』は、1966年に公開されたフランスのコメディ映画で、舞台は第二次世界大戦下のナチス占領時代のパリです。この映画は、リーダーシップを持つイギリス空軍の士官たちがフランス人の助けを借りて敵の目を逃れ、脱出を試みる様子がコメディタッチで描かれています。監督はジェラール・ウーリーが務め、テリー＝トーマス、ブールヴィル、ルイ・ド・フュネスらが主なキャストとして出演しています。

我が国の誇る興行的成功

公開当初、この映画は1700万人以上の観客を動員し、フランスの映画興行史に残る大ヒットとなりました。1997年に『タイタニック』がその記録を更新するまで、フランスにおける映画興行収入の最高記録を保持していました。また、42年間にわたりフランス映画としての記録も更新され続け、2015年には『Intouchables』や『白雪姫』とともに、興行収入史上第5位にランクインしています。

あらすじ

映画の物語は1942年のパリから始まります。ナチスによる占領が続く中、イギリスの戦闘機がパリ上空で撃墜され、乗組員たちは脱出を計画します。彼らはパリのモスクに集合することに決め、パラシュートで各地に散らばります。隊長のサー・レジナルド・ブルークはヴァンセンヌの森の動物園に着陸します。一方、ペンキ職人のオーギュスタン・ブーヴェの籠に掛かったピーター・カニングハムは、彼の助けを得て隠れます。また、アラン・マッキントッシュはオペラ・ガルニエの屋根に着陸します。

この3人は、運命的に出会ったフランス人に協力を仰がれ、彼らの知恵と勇気を借りて、敵の目をかいくぐりながらフランスからの脱出を試みます。彼らはレジスタンスの力も借り、ブルゴーニュ方面へ向かう途中、様々な困難に直面しますが、ユーモアを交えながら敵に立ち向かっていきます。

スタッフとキャスト

この映画は、スクリプトライターのダニエル・トンプソンやマルセル・ジュリアンとの協力により形作られました。また、音楽にはフランスの作曲家ジョルジュ・オーリックが使用された楽曲が使われ、映画の雰囲気を一層引き立てています。

キャストには、ヒュー・ジャックマンはブルーク役、ブールヴィルはオーギュスタン、ルイ・ド・フュネスはアランをそれぞれ演じ、名コンビを形成しています。この作品は、特にド・フュネスとブールヴィルの掛け合いやアドリブが光り、観客の心を掴みつづけています。

興行収入の記録とその影響

『大進撃』は1966年のフランスにおいて興行収入第1位を獲得し、以降も多くの映画の記録を打ち破りました。フランスの映画館で観た観客の割合は34%に達し、その数は一時的なものではなく、以後の映画作品に多大な影響を及ぼすこととなりました。この映画は、ドイツやスペイン、スウェーデンなどでも公開され、各国で一定の人気を集めました。

テレビ放送と受容

映画は1976年からテレビで放送が始まり、以降もフランスの様々なチャンネルで複数回放送されました。そのたびに高い視聴率を獲得し、映画の記憶を新たにしています。また、この映画の名シーンは今もなお語り継がれ、フランスのコメディ界において重要な位置を占めています。ブールヴィルとルイ・ド・フュネスの共演は特に印象的で、彼らのやり取りは多くの人々に愛されています。

エピソードと影響

撮影中のハプニングやアドリブは名シーンを生み出す一因となり、これらの背景は映画の魅力を倍増させました。また、映画のプロデューサーとのやり取りや、脚本の元々の構想も興味深い要素です。映画のストーリーは、アメリカの娯楽作品にも影響を与えるなど、その広がりは多岐にわたりました。『大進撃』はただのコメディ映画としてだけでなく、戦時中のフランスを描く作品のひとつとしても評価されています。

このように、『大進撃』はフランスの文化的な遺産の一部として、観客に愛されつづけている影響力の強い映画となっています。

もう一度検索