大道筋

大道筋（だいどうすじ）

大道筋は、大阪府堺市堺区の中心市街地を南北に走る主要な通りです。この道は北端を大和橋に、南端を南之橋（現・少林寺橋、御陵前交差点）に持ち、旧来の堺市街地をほぼ真ん中で貫通しています。紀州街道の一部区間でもあり、現在の道路名では綾之町交差点以北が堺市道並松綾之西1号線、綾之町交差点から宿院交差点間が堺市道大道筋、宿院交差点以南が大阪府道197号深井畑山宿院線の一部となります。特に綾之町交差点以南の約2.5kmの区間は、幅約50mの大通りで、片側には3車線の交通が配置され、中央には路面電車（阪堺線）が走行しています。

歴史的背景

大道筋の歴史は、豊臣秀吉の大坂の陣の後、1649年に施行された元和の町割りにさかのぼります。この町割りによって、住吉や大坂につながる道とし、堺市街の南北方向の基幹道路として整備されました。この際、東西方向の基幹道路である「大小路」との対称において「大道」と呼ばれるようになりました。元々の道幅は約4.5間でしたが、南北には南之橋と北之橋の橋が設けられ、高札場も設置されていました。

西に大阪湾があることから、当初の町割りでは綾之町と錦之町の境界（現在の綾之町交差点）で南から南西方向に道が曲がる形状となっていました。元禄年間には紀州街道の一部としての役割を果たし、文政年間にはその範囲が広がって堺市街地の拡大に寄与しました。1872年（明治5年）にはこの道路沿いにある各町名が統合され、東西に同じ区分けの形式が設けられました。

第二次世界大戦後の1945年、堺大空襲によって市街地は大きく破壊されましたが、復興事業の一環として新たに幅員50mの大通りが計画されました。この計画では、伝統的な基幹道路である大道筋を拡幅する方向で進められました。拡幅作業の際には、空襲による被害を免れた綾之町以北では用地買収に困難が生じたため、拡幅区間は綾之町交差点以南に限定されました。

環濠地域内の街区は南北に細長く、街区を合併する方式が取られることとなりました。大道筋の東側は宿屋町として空襲を免れた場所であり、西側が焼失していたため、これらを合わせて現在のような大通りが形成されました。1957年（昭和32年）には阪堺線が移設され、大道筋はほぼ現在の姿となりました。このようにして、南北に貫通する重要な交通路としての役割を果たす大道筋が確立されていきました。

現在の状況

現在、大道筋は主に綾之町交差点以南の大通り区間として認識されていますが、綾之町交差点以北の旧道も大道筋と呼ばれ続けています。この交差点では、拡幅された道路と古い道路との交差が見えるため、歴史を感じさせます。1959年（昭和34年）には、更に南の錦之町以南で、1969年（昭和44年）には綾之町以北において町の区分が道路を境として変更され、続いて町が東西に分かれる形となりました。

1989年（平成元年）には、堺市が市制100周年を記念して大道筋の道路愛称を設定しました。また、交差する主な道路としては、大阪府道187号大堀堺線や大阪府道12号堺大和高田線、大小路筋、フェニックス通り、御陵通りなどがあります。

周辺には、西本願寺堺別院や小西行長屋敷跡碑、妙国寺などの名所も点在します。大道筋は歴史と文化に満ちた地域の重要な交通路であり、堺市を訪れる際には欠かせないスポットとなっています。

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