大都会 (曲)

大都会：クリスタルキングの名曲

1979年11月21日、クリスタルキングはシングル「大都会」をリリースしました。この曲は、多くの人々に親しまれ、今もなおその影響力を持つ名曲です。クリスタルキングは、曲のリリース前に1978年のポピュラーソングコンテスト（ポプコン）で入賞を果たしましたが、その審査基準に納得できない思いを抱くメンバーがいました。特に田中昌之は「審査員を驚かせる曲を作ろう」と決意し、「大都会」の創作がスタートしました。

グランプリを狙うために、田中は彼の高音でインパクトを与え、聴衆の心を掴むことを考えました。ギターを担当する山下三智夫が曲の基盤を作り、他のメンバーと共に歌詞を練り上げました。その結果、1979年10月に開催された第18回ポピュラーソングコンテストの本選では、「大都会」が見事にグランプリを獲得。さらに、続く世界歌謡祭でもダブル受賞の快挙を成し遂げました。

「大都会」のタイトルは、都市のイメージから東京を連想されることが多いですが、実際には博多（福岡）を描いた曲であると田中は述べています。クリスタルキングは佐世保で結成され、その後福岡に拠点を移しました。曲の背景には、福岡が持つ独自の文化や町の雰囲気が反映されています。しかし、ブレイク後に東京でのデビューを果たしたことから、テレビのパフォーマンスなどでは高層ビルを背景に歌い、東京のイメージが強まったのです。

曲の冒頭のフレーズは、田中自身の恋愛の苦悩を表しているとも語っています。彼は自身の歌唱する歌が博多の美しい女性たちに振られた悔しさから生まれたものであると、テレビ番組で面白おかしく話していました。また、この曲のタイトルは当時放送されていた刑事ドラマ『大都会』から影響を受けているとも言われています。

収録内容

• - SIDE A

大都会 (4分53秒)
作詞：田中昌之・山下三智夫・友永ゆかり
作曲：山下三智夫
編曲：船山基紀

• - SIDE B

時流 (4分52秒)
作詞：阿里そのみ
作曲：安部恭弘
編曲：クリスタルキング・船山基紀

この曲はリリース以来、様々な形でメディアに取り上げられてきました。1998年にはポッカサッポロの缶コーヒーのCMに田中が出演し本曲を歌い、2001年にはホンダ・CR-VのCMで英語訳のゴスペルアレンジが使用されました。さらに、2018年にはキリンビールのCMでも曲のイントロが流れるなど、世代を超えて多くの人に愛され続けています。

同曲は多くのアーティストにカバーされ、多様なスタイルで再解釈されていますが、オリジナルの持つ魅力は今でも色褪せることなく、多くのファンの心に残り続けています。音楽シーンにおける「大都会」の位置づけは、クリスタルキングの成功だけでなく、日本のポップスの歴史においても重要な役割を果たしています。

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