大野銀行

大野銀行（おおのぎんこう）

大野銀行は、かつて愛知県に存在した地方銀行です。

概要

1896年（明治29年）、大𣘺正太郎によって三河地方初の民間銀行として設立されました。本店は八名郡大野町（現在の新城市）に置かれ、三河東部を営業エリアとしていました。創業者である大𣘺正太郎は、大野電気や鳳来寺鉄道などの事業も手掛け、地域経済の発展に大きく貢献しました。

1923年2月には、赤羽根銀行を合併し、規模を拡大しました。しかし、昭和時代前期に入ると、戦時経済体制下において政府主導による銀行の一県一行主義が推進されるようになります。この政策の影響を受け、1941年には愛知銀行・名古屋銀行・伊藤銀行が合併し東海銀行が設立されました。

大野銀行もこの流れに抗うことはできず、1945年に岡崎銀行、稲沢銀行と共に東海銀行へ合併されることとなり、49年の歴史に幕を閉じました。地域経済の発展に貢献した大野銀行の終焉は、時代の変化を象徴する出来事でした。

現存する建築物

大野銀行の本店建物（2代目社屋）は、1925年に大野町に建設されました。この建物は、銀行としての役割を終えた後も、地域の歴史を伝える貴重な遺産として保存され、「大野宿鳳来館」という名称で一般公開されています。2008年には、国の登録有形文化財に登録され、その文化的価値が認められました。鳳来館は、大野銀行の歴史を今に伝えるとともに、地域の文化振興に貢献しています。

関連項目

* 豊川鉄道

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