東海銀行

株式会社東海銀行の概要

概要

株式会社東海銀行（とうかいぎんこう）は、かつて名古屋市に本店を構えていた日本の都市銀行で、2002年の三和銀行との合併を経て現在の三菱UFJ銀行の前身の一つです。1941年に愛知銀行、名古屋銀行、伊藤銀行が合併し設立されたこの銀行は、戦後の名古屋財界において重要な役割を果たしました。特に、名古屋の財界における影響力を持ち、「名古屋五摂家」として知られる地元企業群の一員として地位を築きました。また、本店は名古屋市中区にあり、現在の三菱UFJ銀行名古屋営業部の所在地となっています。

行名の由来

東海銀行の名前は、設立時に名付けられました。愛知銀行、名古屋銀行、伊藤銀行の合併にあたり、日本銀行の結城総裁に名付けを依頼し、その中から「東海銀行」が選ばれました。この名称は、合併当時の地域名である東海地方を反映すると同時に、津島副総裁が贈った言葉「寿比南山 福如東海」にも由来しており、縁起の良い意味合いを持つものとされています。

歴史

戦前 - 在名3行の合併

東海銀行の前身には、愛知銀行、名古屋銀行、伊藤銀行があります。愛知銀行は1896年に設立され、名古屋銀行は1882年に創業しました。伊藤銀行は1881年に名古屋で設立され、後に伊藤財閥の中核を担う銀行として発展しました。1941年には大蔵省の政策に従い、三行が合併して東海銀行が設立されました。

戦後復興から伊勢湾台風

戦後は、急速な産業復興が求められ、銀行は資金供給に力を入れました。1949年にはミリオン定期預金を発売し、さらに1963年には海外進出も視野に入れ、ロンドンに支店を開設しました。1959年の伊勢湾台風では、地域の復興活動に貢献し、被災者支援に全力を注ぎました。

高度経済成長期

日本が高度経済成長を遂げる中、東海銀行は中小企業向けの融資を強化し、個人向け取引も充実させました。1961年にはミリオンローンを開始し、さらに海外にも進出。マネーセンターとしての地位を確立しました。

バブル経済から崩壊

バブル経済が崩壊すると、東海銀行も大きな影響を受けることになりました。1998年に三和銀行との合併に向けて動き出し、2002年にUFJ銀行が設立されました。

経営統合への道程

合併後、東海銀行は三和銀行に吸収される形で統合され、名古屋地域での地位が低下しました。この変化により、名古屋の地元企業が地元銀行との取引を選ぶケースが増え、地域経済に影響を与えました。さらに、UGJ銀行に統合される際には、経営面での困難も伴いました。

結論

株式会社東海銀行は、地域の経済において重要な役割を果たし、名古屋を中心とした金融機関としての影響力を持っていましたが、2002年の合併以降はその存在感が低下し、最終的には三菱UFJ銀行に吸収されました。その歴史は、戦前の銀行統合から高度経済成長期の金融の変化、そしてバブル崩壊による経営再編まで、様々な経緯があることを物語っています。

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