大関清増

大関清増（おおぜき きよます）

大関清増は、安土桃山時代の武将で、下野国黒羽城主を務めました。永禄8年（1565年）に大関高増の次男として生まれました。兄・晴増が小峰義親の婿養子となったため、清増が後継者となり、天正6年（1578年）に家督を譲られました。叔父である大田原綱清の娘を正室に迎えましたが、実際の政務は父・高増が後見として支えました。

戦功

天正13年（1585年）3月には、主君である那須資晴や父・高増と共に、薄葉ヶ原の戦いに出陣し、塩谷義綱・宇都宮国綱連合軍を破るという戦功を挙げました。この戦いで大関勢は多くの敵兵を討ち取り、その武勇を示しました。

さらに同年から翌天正14年（1586年）1月にかけて、主君・資晴の許可を得て伊王野資信の所領に攻め入り、勝利を収めました。講和の条件として、伊王野領の東郷などを割譲させ、大関氏の所領を拡大することに成功しました。これらの戦いを通じて、大関清増は武将としての才能を発揮し、領土の拡大に大きく貢献しました。

死去とその後

しかし、清増は天正15年（1587年）7月25日に病のため23歳という若さで亡くなりました。嗣子がいなかったため、佐竹義重の支援を受けた兄・晴増が家督を継ぐこととなりました。清増の死は、大関氏にとって大きな損失でありましたが、その功績は歴史に刻まれました。

大関氏と佐竹氏の関係

天正11年（1583年）5月10日付の佐竹義重起請文（大田原市指定有形文化財・古文書）には、佐竹氏と抗争中の那須氏傘下であった大関氏が、佐竹氏と単独で和睦する内容が記されています。この起請文から、佐竹氏が大関氏を半ば支配下に置き、大関氏が佐竹氏と那須氏の両属下となったことがわかります。起請文は大関清増宛てですが、当時の大関氏の実権は父・高増が握っていたと考えられています。

このように、大関清増の生涯は、若くして家督を継ぎ、戦で武功を上げながらも、病に倒れた短いものでしたが、当時の大関氏の状況や周辺の勢力関係を知る上で重要な人物の一人です。

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