大阪・中之島プロジェクト

大阪・中之島プロジェクト

大阪市北区に位置する中之島エリアで、朝日新聞大阪本社の社有地を中心に行われた大規模な都市開発事業です。このプロジェクトは、長年使用されて老朽化した複数の社有ビルを新たな超高層ビル群へと生まれ変わらせると同時に、近隣の地下鉄四つ橋線肥後橋駅と京阪中之島線渡辺橋駅を結ぶ中之島地下街の再整備も連動させて実施されました。

プロジェクトの背景

プロジェクトが計画された背景には、複数の要因がありました。対象となった大阪朝日ビル、朝日新聞ビル、新朝日ビルディングは、いずれも建設から40年以上が経過し、建物の老朽化が喫緊の課題となっていました。また、中之島地域全体で進行する高層ビル建設ラッシュや、新たな交通インフラである京阪中之島線の開通といった周辺環境の変化も、このエリアにおける大規模な再開発の必要性を後押ししました。こうした状況を踏まえ、朝日新聞大阪本社周辺のビル群を一体的に刷新する計画として、「大阪・中之島プロジェクト」が具体化されました。

中之島フェスティバルタワーの建設

再開発によって誕生する超高層ツインタワーは、「中之島フェスティバルタワー」と総称されました。プロジェクトは二段階に分けて進行しました。

まず、フェスティバルホールが入居していた新朝日ビルディングが2009年に解体されました。その跡地に、プロジェクトの第一期として東棟の建設が進められ、2012年11月6日に竣工しました。この東棟には、リニューアルされたフェスティバルホールをはじめ、大阪朝日ビルと朝日新聞ビルから移転した朝日新聞大阪本社、さらに一時的に阪神ダイヤビルディングへ移っていた日刊スポーツ新聞西日本本部・大阪本社が入居しました。また、多彩な店舗が集まる飲食・商業エリア「フェスティバルプラザ」も併設され、新たな賑わいの核となりました。

東棟の完成後、続いて大阪朝日ビルと朝日新聞ビルが解体されました。これらの跡地には、プロジェクトの第二期として西棟「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」が計画されました。2014年6月25日に着工し、2017年4月に竣工。主に事務所やホテルを主要テナントとして迎え入れました。西棟の完成をもって、東西両棟からなる複合都市空間「中之島フェスティバルシティ」が全面開業し、プロジェクトは完了しました。

特徴と機能

中之島フェスティバルタワーの東西両棟は、水都大阪のシンボルである水辺の景観との調和を考慮したデザインが採用されています。また、最新の耐震技術が導入されており、大規模な地震や津波などの災害発生時にも対応可能な防災拠点としての機能も備えています。

さらに、このプロジェクトは中之島地下街との連携を重視しており、地下街と一体となった回遊性の高い空間を創出することで、地域全体の新しい賑わいづくりを目指しました。これにより、周辺の交通結節点とビル群、そして地下空間が有機的に結びつけられています。

阪神高速道路への対応

旧朝日新聞ビルには、建物の内部を阪神高速11号池田線の北行き本線車道が通過しているという特殊な構造がありました。今回の建て替えに伴い、高速道路より上のビル部分は解体されましたが、高速道路の橋脚として機能していた部分は解体されずにそのまま活用されるという形で対応されました。

関連事項

* 中之島地下街: 東棟の建設工事期間中、地下街の一部も工事対象となったため一時閉鎖されましたが、2012年12月の東棟竣工後に「フェスティバルプラザ」の一部として再開されました。これにより、地下街と新しいビル群がスムーズに接続されました。

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