大阪大学社会経済研究所

大阪大学社会経済研究所について



大阪大学社会経済研究所は、1954年に設立された研究機関で、主に経済学の視点から社会問題に取り組むことを目的としています。大阪大学の附置研究所として位置づけられ、略称は社研です。2010年度からは共同利用・共同研究拠点にも指定され、国内外の研究者との連携を深めています。

設立の背景



設立当初は大阪大学経済学部の附属研究施設「社会経済研究室」としてスタートし、1962年には「社会経済研究施設」に改称され、さらに1966年に現在の「社会経済研究所」に改組されました。これは、戦後の混乱期において正統な経済理論を構築する重要性を認識した経済学部長・高田保馬の努力によるものです。情勢が混沌としていた当時、経済学の理論的な基盤を築くことが求められていました。

1960年には、アメリカのペンシルベニア大学との協力により、国際学術雑誌『International Economic Review (IER)』が創刊されました。この雑誌は世界の経済学者によるアカデミックな研究を促進するため、英語での原稿投稿が求められ、国内での校正を経て国際的な基準を整える役割を果たしています。

研究の対象



大阪大学社会経済研究所では、特に伝統的な経済学では説明しきれない現代的な問題、たとえば不況やバブル、多重債務、環境問題、格差などの多岐にわたる経済課題に焦点を当てています。近代経済学の視点から、行動経済学の研究にも力を入れ、2010年からはこの分野の共同利用・共同研究拠点を形成しました。

社研では、学内の紀要を持たず、国際的に著名な学術誌への論文掲載件数においては指標により異なるものの、常にトップクラスの実績を誇っています。

沿革



社会経済研究所の歴史は以下のように時系列でまとめられます：

研究プログラム



研究課題としては、21世紀のCOEプログラム「アンケート調査と実験による行動マクロ動学」や、グローバルCOEプログラム「人間行動と社会経済のダイナミクス」があり、これらを通じて先端的な研究手法が採用されています。大阪大学大学院経済学研究科の経済学専攻を中心に、国内外の研究者との共同研究が進められています。

組織構成



社研は以下のような部門で構成されています：

所在地とアクセス


本研究所は、発展的な研究を続けるため、大阪府茨木市の美穂ヶ丘に位置し、大阪大学吹田キャンパス内にあります。アクセス方法は、阪急バスや近鉄バスで「阪大本部前」停留所まで行くか、阪急千里線の「北千里駅」や大阪モノレール彩都線の「阪大病院前駅」からの利用が可能です。

このように、大阪大学社会経済研究所は、経済学的視点から社会の様々な問題に取り組み、国内外における経済学研究の発展に貢献しています。

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