大阪市立東粉浜小学校

大阪市立東粉浜小学校は、大阪府大阪市住吉区に所在する公立の小学校です。「東粉浜小（ひがしこはましょう）」あるいは「東小（ひがしょう）」の愛称で地域に親しまれています。

本校の歴史は、昭和5年（1930年）5月31日に、大阪市粉浜第二尋常小学校として設立されたことに始まります。当時の大阪市粉浜尋常高等小学校（現在の大阪市立粉浜小学校）は児童数が大幅に増加しており、その過密状態を解消するため、同校の校区であった旧西成郡粉浜村のうち、南海電鉄の線路より東側の地域を分離して、現在地に新しい学校が設けられました。

創立間もない昭和5年6月23日には、早くも粉浜小学校から高等科が移管され、校名が大阪市粉浜第二尋常高等小学校へと改称されました。その後、昭和14年（1939年）4月1日には、学校所在地の地名にちなみ、大阪市東粉浜尋常高等小学校へと再び名称が変更されています。

時代が太平洋戦争へと向かう中、教育制度も変更されました。昭和16年（1941年）に国民学校制度が導入されると、これに伴い大阪市東粉浜国民学校へと改称されました。開校当初からこの国民学校への改編初期にかけては、初等科と高等科が併設されていましたが、大阪市が国民学校の高等科を単独校に集約する方針を打ち出したことにより、昭和18年（1943年）、当時の西成区南部では本校と千本国民学校の高等科が統合され、大阪市西粉浜国民学校が新設されました。これにより、当校の高等科は廃止され、以降は初等科のみを置く学校となりました。

第二次世界大戦の戦況が悪化するにつれて、都市部の児童は学童集団疎開の対象となりました。昭和19年（1944年）以降、東粉浜国民学校の児童たちも、戦禍を避けるため大阪府泉南郡山滝村（現在の岸和田市の一部）へと集団疎開を行いました。

戦後、日本の教育制度は大きな変革を迎えます。昭和22年（1947年）4月1日には、学制改革が実施されたことに伴い、現在の校名である大阪市立東粉浜小学校となりました。その後も地域社会の変化に応じ、昭和50年（1975年）には大阪市立住吉小学校との間で校区の調整が行われ、現在の帝塚山地区の一部が新たに本校の通学区域に加えられています。

近年においても、より良い教育環境を目指した整備が進められています。平成23年（2011年）には校舎に囲まれた通称「中庭」が芝生化され、子どもたちが安心して活動できる空間が生まれました。また、平成25年（2013年）には、校舎敷地北側にある通称「ひょうたん池」の改修工事が完了しています。

現在の本校の通学区域は、大阪市住吉区の帝塚山中1丁目から4丁目、帝塚山西1丁目から3丁目、帝塚山西4丁目の一部、東粉浜1丁目から3丁目、そして長峡町の一部を含みます。卒業した児童の多くは、大阪市立住吉中学校に進学します。

本校の卒業生の中には、著名な人物も輩出されています。地理学者として知られる金坂清則氏や、実業家として小肥羊ジャパンの社長を務めた青山浩氏らが当校で学びました。

交通アクセスは、複数の鉄道路線が利用可能で、非常に便利です。南海本線の粉浜駅から北東へ約300m、徒歩約5分。南海高野線の帝塚山駅からも徒歩約8分です。また、Osaka Metro四つ橋線の玉出駅からは南東へ約600m、徒歩約9分。さらに、阪堺電気軌道阪堺線の東粉浜駅からは徒歩約3分と、最寄りの駅からのアクセスも良好です。

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