大阪市立福小学校

概要

大阪市立福小学校（おおさかしりつ ふく しょうがっこう）は、大阪府大阪市西淀川区に所在する公立小学校です。その起源は明治時代後期の1899年にまで遡り、当時の西成郡福村に設置された学校をルーツとしています。

沿革

学校の所在する西淀川区福町一帯は、1925年に大阪市へ編入されるまで、西成郡福村と呼ばれていました。明治時代初期、福村は隣接する伝法村と学校組合を組織しており、村の子どもたちは伝法尋常小学校（現在の大阪市立伝法小学校）へ通学していました。

しかし、明治中期に大規模な新淀川の開削工事が行われた結果、福村と伝法村は新しくできた川によって隔てられてしまいます。これにより、福村の子どもたちが伝法小学校へ通うことが著しく困難となりました。この状況を受けて、福村独自の小学校を設立する必要性が生じ、村内の民家を仮校舎として利用する形で、1899年5月8日に「大阪府西成郡福尋常小学校」として新たな歴史を刻み始めました。

1925年4月1日には、福村が大阪市に編入されたことに伴い、高等科が併設され、「大阪市福尋常高等小学校」と改称しました。

その後、学校はいくつかの試練に直面します。1934年9月21日には室戸台風が襲来し、校舎が浸水する被害に見舞われました。

戦時体制下では、1941年4月1日の国民学校令の施行により、「大阪市福国民学校」へと名称が変更されました。

太平洋戦争の戦況が悪化するにつれて、大阪市内の国民学校では児童の疎開が進められることとなりました。1944年以降、集団疎開が実施され、西淀川区の国民学校からは徳島県や香川県への疎開が指定されました。福国民学校の集団疎開先は徳島県板野郡の松島村および大山村（現在の両地域は上板町にあたります）に決定し、1944年9月16日に児童たちは現地へと出発しました。疎開先の宿舎で集団生活を送りながら、現地の松島国民学校や東光国民学校の校舎を借りて学習を続けました。

終戦後の1947年4月1日、学制改革が実施されたことにより、現在の校名である「大阪市立福小学校」へと改称されました。

1950年9月3日にはジェーン台風が地域を襲い、校区は甚大な被害を受けました。地域全体で21名の死者・行方不明者が出ましたが、その犠牲者のうち5名が本校の児童でした。

その他の出来事・施設

学校のシンボルである校旗と校章は1953年2月1日に制定され、校歌は1956年4月10日に制定されました。

1960年代頃からは、地域における公害問題が深刻化しました。特に学校近くを通る国道43号からの大気汚染が懸念され、その対策として1969年3月31日には全ての教室に空気清浄機が設置される対応が取られました（現在、空気清浄機の設置はありません）。

施設の面では、2000年に校舎が建て替えられています。また、2018年1月25日には、学校情報化優良校として認定を受けました。

通学区域と進学先

大阪市立福小学校の通学区域は、大阪市西淀川区の福町1丁目から3丁目にわたります。卒業した児童は、原則として大阪市立西淀中学校に進学します。

交通アクセス

学校へは、阪神なんば線の福駅から南東へ徒歩およそ200メートルの距離に位置しています。

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