大阪府立成城高等学校

大阪府大阪市城東区に校舎を構える公立高等学校です。昭和時代に工業高校として設立されて以来、時代の変化や教育改革に対応しながら発展を続けてきました。多部制単位制のクリエイティブ・スクールを経て、現在は全日制および定時制（夜間）の総合学科高校として運営されています。特に、生徒一人ひとりの個性や多様なニーズに応じた学びを支援するため、2016年度からはエンパワメントスクールにも指定されています。

沿革

本校の起源は、1959年に大阪府立成城工業高等学校として開校したことに遡ります。これは大阪府立高校としては8番目の工業高校でした。開校当初は全日制課程のみで、機械工学科と電子工業科が設置されていました。1960年には校歌・校旗が制定され、創立記念日が10月9日に定められるなど、学校としての礎が築かれました。

1963年には定時制課程（機械工学科）が新設され、全日制と定時制を併せ持つ高校となりました。定時制課程では、通常の授業に加え、大阪総合職業訓練校（後に大阪総合高等職業訓練校、1989年募集停止）や大阪府立東大阪高等職業技術専門校との技能連携も実施し、連携校での工業科目を高校の履修単位として認めるユニークな教育を行っていました。全日制課程では、学科の改編も進められ、1990年には電子工業科が情報技術科に、1992年には機械工学科が電子機械科にそれぞれ改編されています。

2000年代に入ると、大阪府の高等学校特色づくり・再編整備計画に基づき、新たな学校形態への移行が進められました。2005年には、大阪府立成城高等学校として多部制単位制定時制のクリエイティブ・スクールが設置されました。これにより、従来の成城工業高等学校は新規生徒の募集を停止しました。クリエイティブ・スクールは、生徒のライフスタイルに合わせて午前（I部）、午後（II部）、夜間（III部）から授業時間帯を選択できる柔軟なシステムでした。特にI部とII部では1日6時限の授業を履修することで、またIII部では通信制高校との併修により、通常よりも短い3年間での卒業が可能となっていました。旧成城工業高等学校は、課程の閉鎖が進み、2007年3月末に全日制課程が、2008年3月末に定時制課程が閉課程し、学校そのものも閉校しました。

クリエイティブ・スクールとして運営されていましたが、2012年にはさらなる改編が行われました。クリエイティブ・スクールのI部・II部が全日制総合学科へと転換され、III部が定時制総合学科となりました。これにより、現在の全日制・定時制の総合学科高校としての形態が確立されました。そして2016年度には、生徒の学習意欲を高め、社会生活や職業生活への自立を支援することを目的としたエンパワメントスクールに改編され、教育活動の一層の充実が図られています。

教育課程および特色

現在の本校は、全日制および定時制（夜間）の総合学科として運営されており、生徒は多様な科目の中から自身の進路や興味に合わせて自由に選択し、学習計画を立てることができます。

過去のクリエイティブ・スクール時代には、進路に応じた多様な学習計画を助けるためにいくつかの系列が用意されていました。I部・II部では、理工系大学進学を目指す「数理科学」をはじめ、文系・医療系など多様な進路に対応する「人文科学1」「人文科学2」、生活やデザインに関する「生活デザイン1」「生活デザイン2」、コンピューター関連技術を学ぶ「情報技術1」「情報技術2」、そして過去の工業高校としての伝統を活かした実習中心の「ものづくり」といった系列がありました。2012年度に全日制総合学科へ改編される際に、これらの系列は「ものづくり系列」「工業デザインコース」「情報技術系列」「生活デザイン系列」「商業実務系列」「総合文理系列」などに再編されました。また、III部である夜間定時制総合学科にも「発見工房」「生活デザイン」「情報技術」「ものづくり」などの系列がありました。

教育連携としては、2007年度から大阪成蹊大学との高大連携制度を実施しており、大学との連携を通じて生徒の学習機会を拡大しています。

主な出身者

各界で活躍する様々な人材を輩出しています。

桂小文枝 (4代目)|桂小文枝_(4代目) - 落語家
桂春駒 - 落語家
野茂英雄 - プロ野球選手
山之内幸夫 - 弁護士・作家・脚本家

交通アクセス

Osaka Metro中央線の深江橋駅より、北東方向へ約500メートルほどの距離に位置しており、徒歩で便利にアクセスできます。

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