大阪府道173号大阪八尾線

概要

大阪府道173号大阪八尾線は、大阪市と八尾市を結ぶ全長18.6キロメートルの一般府道です。大阪市大正区南恩加島七丁目に位置する大運橋交差点を起点とし、八尾市東久宝寺一丁目の顕証寺交差点に至るルートを取ります。起点の交差点では大阪府道5号大阪港八尾線と、終点の交差点では大阪府道2号大阪中央環状線とそれぞれ接続しており、大阪市中心部から東部、そして八尾市を結ぶ重要な交通路となっています。

この路線が通過する自治体は多岐にわたり、大阪市内の大正区、西区、中央区、天王寺区、東成区、生野区といった主要な区を経て、東大阪市を通過し、最終的に八尾市へと到達します。都市部から郊外へと広がるエリアをカバーしており、地域住民の生活や経済活動を支える役割を果たしています。

道路状況

府道173号の道路構造は、通過する地域によってその特性を変化させます。特に大阪市内全線と東大阪市内の一部区間においては、交通量の多さや幹線道路としての機能に対応するため、片側2車線以上の合計4車線以上という広幅員で整備されています。しかし、その他の区間では、比較的交通量が落ち着くことに応じて、片側1車線の合計2車線構造となっています。このように、都市部と郊外で車線数が異なるのが特徴です。

この路線は、区間ごとに異なる複数の通称で地域に親しまれています。

大運橋交差点から大正橋交差点にかけては「大正通」
伯楽橋西詰交差点から今里交差点にかけては「長堀通」
今里交差点から大池橋交差点までは「今里筋」
大池橋交差点から大阪市生野区巽東付近までは「勝山通」
八尾市の寿町一丁目交差点から終点の顕証寺交差点までは「北八尾街道」

また、この府道は他の重要な道路との重複区間を含んでいます。

大阪市中央区南船場三丁目の新橋交差点から、大阪市東成区大今里三丁目の今里交差点までの区間は、一般国道308号と重複しています。
今里交差点から大阪市生野区中川六丁目の大池橋交差点までの区間は、大阪市道大阪環状線（広義の環状線の一部を構成）と重複しています。

歴史

大阪府道173号大阪八尾線は、1959年（昭和34年）12月1日に大阪府によって正式な路線として認定されました。この認定により、大阪市と八尾市を結ぶ重要な道路としてその歴史を歩み始めました。

路線の歴史においては、都市計画や道路網の再編に伴ういくつかの変遷が見られます。顕著な出来事としては、1970年（昭和45年）4月1日、大阪市内の新橋交差点から今里交差点にかけての区間が、国の幹線道路網を構成する一般国道308号へと昇格したことが挙げられます。これにより、当該区間は国道としての性格も併せ持つことになりました。さらに、1993年（平成5年）5月11日には、この府道の一部区間が当時の建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道に指定され、大阪市道四天王寺巽線の一部として位置づけられるなど、時代とともにその役割や管理形態が変化してきました。

道路施設と地理

路線上には、複数の河川や水路を渡るためにいくつかの橋梁が架けられています。

大阪市大正区と西区の境界付近では、岩崎運河に岩松橋、木津川に伯楽橋が架かっています。
大阪市中央区では、東横堀川を渡る末吉橋があります。
大阪市東成区、国道308号との重複区間内には、平野川に架かる丸一橋があります。
* 大阪市生野区では、平野川分水路に巽橋が架かっています。

地理的には、大阪市内の複数の区を横断し、東大阪市を経て八尾市に至るルートは、多くの鉄道路線とも交差しており、沿線地域の交通アクセスにとって重要な結節点となっています。

交差する主な鉄道路線としては、JRの大阪環状線やおおさか東線、阪神なんば線、そしてOsaka Metroの四つ橋線、御堂筋線、堺筋線、谷町線、長堀鶴見緑地線、千日前線、さらに近畿日本鉄道の近鉄大阪線などが挙げられます。これらの鉄道路線との交差地点は、主要駅周辺などで人々の往来や物流の拠点となっており、府道173号線はこれらの鉄道網と連携し、地域全体の交通ネットワークを形成する上で不可欠な存在と言えます。

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