大阪急性期・総合医療センター

大阪急性期・総合医療センター：150年以上の歴史と進化を遂げた府立病院

大阪急性期・総合医療センターは、大阪府大阪市住吉区に位置する、急性期から回復期までの一貫した医療を提供する総合病院です。府立総合医療センターという略称でも知られています。その歴史は古く、1871年に除毒施設として開設された某毒院にまで遡ります。以来、150年以上にわたり、大阪の医療を支え続けてきました。

歴史の歩み：梅毒治療から総合医療センターへ

当初は梅毒治療を目的とした専門病院としてスタートしました。大阪駆黴院と改称後、難波に移転し、府立難波病院、大阪府立大阪病院、大阪府立病院と名称を変えながら、診療科の拡充や病床数の増加を続け、総合病院へと発展していきました。

1871年の開設当初は、梅毒治療に特化した「某毒院」としてスタートしました。その後、「大阪駆黴院」と改称し、1872年には大阪市西区松島に開設、1883年には難波に移転しました。1899年には「大阪府立難波病院」となり、花柳病の診療を目的として、遊女のための専門病院として機能していました。1924年には現在の住吉区に移転し、1946年には内務省令娼妓取締規則の廃止に伴い、娼妓病院としての役割を終えました。

戦後、大阪府立大阪病院、大阪府立病院と改称し、診療科を拡大。内科、外科、産婦人科、眼科など様々な診療科が設置され、総合病院としての機能を強化しました。1950年代から1970年代にかけて、病床数の増築や、新診療科の設置、医療機器の導入などを積極的に行い、規模を拡大しました。1978年には厚生省の教育指定病院となり、臨床研修医制度を導入し、医療従事者の育成にも力を入れ始めました。1980年代には近代化計画に基づく大規模な改築工事が行われ、さらに充実した医療環境が整備されました。

2003年には「大阪府立急性期・総合医療センター」と改称し、急性期医療と回復期リハビリテーション医療の一体的な提供体制を確立しました。2007年には大阪府立身体障害者福祉センター附属病院と統合し、障がい者医療・リハビリテーション部門を新設。さらに、救命救急センターを拡充し、心臓血管疾患や脳血管疾患に対する救急医療体制も強化しました。2017年には現在の名称である「大阪急性期・総合医療センター」となりました。

センターの役割：急性期から回復期までの一貫した医療と災害医療

大阪急性期・総合医療センターは、急性期医療、回復期リハビリテーション医療、障がい者医療を包括的に提供する基幹病院です。特に、基幹災害医療センターとしての役割も担い、大規模災害発生時には被災者の受け入れと初期治療を行う重要な拠点となっています。救命救急センターでは、高度な救急医療を提供し、多くの命を救っています。また、地域医療支援病院としての機能も有し、地域医療連携にも積極的に取り組んでいます。

診療科と部門

センターには、内科系、外科系、中央部門、障害者医療・リハビリテーション部門など、多くの診療科と部門があります。内科系では、総合内科、呼吸器内科、消化器内科、心臓内科、糖尿病内分泌内科など幅広い診療科があり、外科系では、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科など高度な医療を提供しています。中央部門には集中治療部(ICU)、画像診断科、病理科などがあり、様々な検査や治療をサポートしています。また、障害者医療・リハビリテーション部門では、障がい者のための専門的な医療とリハビリテーションを提供しています。

交通アクセス

大阪シティバス、阪堺電車、南海電車、JR、地下鉄など、複数の交通機関を利用してアクセス可能です。それぞれの駅から徒歩で数分～15分ほどで到着できます。

不祥事

近年、医療事故、公金流用問題、マタニティハラスメント、医療機器の再使用問題、汚職事件など、様々な不祥事が発生しています。これらの問題は、病院運営の透明性や倫理、職員の教育、医療安全管理体制の見直しを強く求められています。

そして未来へ

長い歴史の中で、幾多の困難を乗り越え発展を遂げてきた大阪急性期・総合医療センター。これからも、地域住民にとってなくてはならない存在として、安全で質の高い医療を提供し続けることが期待されています。今後の更なる発展と、不祥事からの教訓を活かした信頼回復が求められています。

もう一度検索