大阪電気軌道デボ201形電車

大阪電気軌道デボ201形電車

大阪電気軌道デボ201形電車は、1925年（大正14年）に大阪電気軌道（大軌、後の近畿日本[[鉄道]]）が製造した電車です。デボ1形などの増備車として10両が登場し、のちに近鉄モ250形となりました。

概要

デボ201形は、201 - 205号車が藤永田造船所、206 - 210号車が田中車輌（現・近畿車輛）で製造されました。当時としては斬新な箱型車体を採用し、大正末期の新しい車両デザインを象徴する存在となりました。

車体

最大の特徴は、それまでの半円筒形から一転した、フラットな前面を持つ箱型車体です。鋼鉄車全盛の時代に入り、角張った木造のスタイルから、ファンには「重箱」という愛称で親しまれました。3扉車で、屋根はダブルルーフ構造、側面の窓配置はdD6D6Dd、乗務員室扉が設置された全室運転室タイプです。車体長は14,481mmと、デボ1形やデボ61形とほぼ同じでした。

主要機器

主電動機は、デボ61形と同じ105馬力（78.33kW）のゼネラル・エレクトリック（GE）社製GE-240B形を4基搭載し、吊り掛け式で装架していました。台車も同様にアメリカのボールドウィン社製BW-78-25Aでしたが、制御器はGE社のPC形自動加速タイプが採用されました。ブレーキは、従来の車両と同じくGE社製非常直通ブレーキを装備。新造当時からパンタグラフと自動連結器を備えていました。

改造・改番

1935年には、デボ208 - 210の3両が鋼体化改造を受け、デボ208形となりました。この際、旧車体は博多湾[[鉄道汽船]]（現・西鉄貝塚線）に譲渡され、コハフ2 - 4として活用されました。

1942年の称号改正で、記号がデボからモに変更されました。1950年の称号形式整理では、残った7両が改番され、モ250形（モ251 - 257）となっています。

1957年から1958年にかけて、全車が再度鋼体化改造を受け、モ460形となりました。

運用・廃車

主に奈良線系統で使用されましたが、桜井線（現・大阪線）昇圧前には同線にも乗り入れていました。自動加速タイプであったため、戦前に急行列車で使用されることはあまりありませんでした。1948年の花園事故を契機に、木造車であった本形式は生駒トンネルの通過が禁止され、鋼体化されるまでは橿原線などを中心に運用されました。

モ460形として鋼体化された車両は、老朽化に加え、機器・配線が昇圧に対応していなかったことから、1969年9月21日の昇圧時に全車廃車となりました。

博多湾[[鉄道汽船]]に譲渡された車両は、西鉄合併前後に電動車化され、モ16・17・13となりました。1961年から1962年にかけて全車が鋼体化され、車体が廃棄されたのち、1978年から1981年にかけて廃車されています。

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