大阪電気軌道デワボ811形電車

大阪電気軌道デワボ811形電車

大阪電気軌道デワボ811形電車は、現在の近畿日本[[鉄道]]（近鉄）の前身である大阪電気軌道（大軌）が1927年に製造した電動貨車です。製造当初の形式はデワボ811形でしたが、近鉄への承継後、複数回の改番を経て最終的にモワ20形となりました。

概要

1927年5月に藤永田造船所でデワボ811の1両が製造されました。

車体

全長13,296mm、最大幅2,501mmの半鋼製車体を有しています。車体中央には窓のない両開き扉が設けられ、両端には乗務員室があります。乗務員室は3枚窓の非貫通構造で、妻面中央には前照灯が取り付けられています。側面に乗務員室扉以外の窓はなく、リベットが外観上の特徴となっていました。妻面の形状は角ばっており、フラットな前面形状が特徴です。また、アンチクライマーを装備し、車体下部にはトラス棒が取り付けられています。

主要機器

主[電動機]]は、111.9kWのゼネラル・エレクトリック]社製GE-245A形を2基搭載しています。制御器は日立PR70形です。台車はボールドウィン社製BW-78-30A形、ブレーキはGE社製非常弁付き[[直通ブレーキを装備していました。

改番の歴史

本形式は、その生涯において3度の改番を経験しています。

1. 1942年: 称号改正により、記号がデワボからモワに変更（番号はそのまま）。
2. 1950年: モワ811形からモワ911形へ改番。
3. その後: 900系の登場を控え、モワ911形からモワ110形へ改番。
4. 最終: 三重電気鉄道との合併に伴い、100番台の番号をナロー車両に譲り、モワ20形となりました。

晩年と廃車

[1969年]]時点では、ブレーキがA自動空気ブレーキに改造され、主電動機が78kWの[[ゼネラル・エレクトリック]社製GE-240B形4基に、制御器がMK形に、台車がボールドウィン社製BW-78-25A形に交換されています。

製造から40年以上が経過し、老朽化が進んだため、1500V昇圧工事の完了とともに全車廃車の方針が決定。1969年9月21日の昇圧時に廃車されました。

参考文献

慶応義塾大学鉄道研究会編『私鉄ガイドブック・シリーズ 第4巻 近鉄』 誠文堂新光社、1970年。
鉄道史資料保存会『近鉄旧型電車形式図集』、鉄道史資料保存会、1979年
『近鉄電車形式集.1B』、レイルロード、2005年
藤井信夫『車両発達史シリーズ8 近畿日本[[鉄道]] 一般車 第1巻』、関西鉄道研究会、2008年
三好好三『近鉄電車 大軌デボ1形から「しまかぜ」「青の交響曲」まで100年余りの電車のすべて』（JTBキャンブックス）、JTBパブリッシング、2016年。ISBN 978-4-533-11435-9
『鉄道ピクトリアル』各号

外部リンク

鉄路の名優 電動貨車 - 近畿日本[[鉄道]]

関連項目

近畿日本[[鉄道]]の車両形式

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