大隈栄一

大隈栄一：日本の産業発展に貢献した実業家

大隈栄一（おおくま えいいち）は、1870年9月27日に生まれ、1950年2月5日に没した、明治時代から昭和時代前期にかけて活躍した日本の実業家です。特に、工作機械メーカーであるオークマの創業者としてその名を知られています。

生い立ちと起業

大隈栄一は、肥前国神埼郡（現在の佐賀県神埼市）で生まれました。幼少の頃から発明の才を発揮し、麺類製造の精機を発明しました。1896年（明治29年）にはその特許を取得し、1898年（明治31年）に大隈麺機商会を設立しました。これがオークマの始まりです。

株式会社大隈鉄工所の設立と事業拡大

1918年（大正7年）、大隈麺機商会は株式会社化され、大隈鉄工所（現オークマ）として新たにスタートを切りました。大隈栄一は社長として経営を指揮し、製麺機の製造に加えて、工作機械や銃弾製造機など、時代のニーズに応じた多様な製品を手がけました。これらの製品は、日本の産業発展に大きく貢献しました。

その他の事業展開

大隈栄一の事業は、大隈鉄工所にとどまりませんでした。1936年（昭和11年）には大隈鋳工、1942年（昭和17年）には旭兵器製造（現旭サナック）を設立するなど、多角的な事業展開を行いました。

社会貢献

大隈栄一は、実業家として経済発展に貢献するだけでなく、社会貢献にも積極的に取り組みました。1937年（昭和12年）から1941年（昭和16年）にかけては、帝国発明協会愛知県支部長を務め、発明の奨励や技術の向上に尽力しました。

死去

1950年（昭和25年）2月5日、大隈栄一は79歳でその生涯を閉じました。彼の功績は、オークマをはじめとする数々の企業を通じて、今もなお日本の産業界に大きな影響を与え続けています。

参考文献

清田伊平 編『日本ダイレクトリー : 御大典紀念』甲寅通信社編集部、1915年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/910425。
上田正昭ほか 監修『講談社日本人名大辞典』講談社、2001年。ISBN 4062108496。

大隈栄一は、日本の産業史における重要な人物の一人であり、その起業家精神と技術革新への貢献は、後世に語り継がれるべきでしょう。

もう一度検索