大隈英麿

大隈英麿の生い立ちと留学経歴

大隈英麿（おおくま ひでまろ、1856年10月9日 - 1910年5月14日）は、盛岡藩主南部家に生まれた日本の教育者および政治家です。彼の幼名は剛建で、1870年に当時14歳の彼は、姉の夫である華頂宮博経親王に同行してアメリカに渡航します。この留学により、英麿は英語や数学、天文学を学びました。

アメリカでは小・中学校を卒業後、ダートマス大学に進学し、天文学を専攻することになります。その後、プリンストン大学に転校し、数学を学びました。5年後の1878年に帰国した他に、アナポリスの海軍兵学校にも短期間在籍していました。

大隈家との関係

帰国後、彼は大隈重信の長女と結婚し、大隈家の養嗣子となりますが、のちに政変により内務省や外務省の職を辞することになります。その後、1882年には東京専門学校の初代校長に就任し、学校の開校式で「学の独立」と題した宣言を行いました。この学校は後に早稲田大学に発展しますが、当初は理系分野よりも政治や経済を重視するカリキュラムが組まれることになり、理学科は早々に廃止されました。

その後、仙台にある第二高等中学校の教諭や、東京高等商業学校（現在の一部早稲田大学）で英語や理化学を教えながら、再度東京専門学校に戻り、1891年から英語を講義します。また、1896年には早稲田尋常中学校の初代校長として、その設立にも深く関与しました。さらに、1901年には早稲田実業中学の初代校長をも務め、堅実な教育者として知られるようになりました。

政治活動

教育者としてだけでなく、英麿は政治家としても活動していました。1898年から1902年にかけては郷里の岩手県から衆議院議員として立候補し、いずれの選挙でも当選を果たしたことで、進歩党および憲政本党に所属していました。彼は教育と政治の両方において影響力を持つ存在でした。

離婚と復籍

1902年、英麿は個人的な事情から妻の熊子と離婚し、大隈家を去ります。その後、南部家に復籍し、地元盛岡で教職に戻ることになります。離婚の背景には、彼が他人の負債の保証人となった経緯があり、これにより多額の借金を抱えることとなりました。この事件は、彼の柔弱な性格が招いたものとされ、地域の有力者からも忠告を受けていたとされています。復籍後、彼は平民として静かな生活を営み、早稲田大学が理工科を設置したことに大変喜んだと言われています。

晩年と死

大隈英麿は1910年に54歳で亡くなり、南部家の菩提寺である聖寿禅寺に埋葬されました。彼の生涯は、教育界における統率力と政治家としての活動を通して、多くのにつながりをもたらしました。今日、彼の業績は教育史において重く評価されています。彼の遺した足跡は、教育界や政治界での革新や発展に寄与し続けています。

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