大雪丸 (2代)

大雪丸（たいせつまる、Taisetsu Maru）

大雪丸は、国鉄によって1984年に建造された津軽丸型の客載車両渡船で、青函航路での重要な役割を果たしました。この船は、戦中戦後の混乱の中で建造され、高い輸送能力と安全性能を備えています。1965年に就航し、国鉄分割民営化後も青函航路の終航まで運航されました。

概要

大雪丸は、青函間の主要な輸送手段として位置づけられ、1963年に設立された青函連絡船取り替え計画委員会の方針に基づき、船質の向上と輸送能力の強化が図られました。この計画では、古い戦時標準船を置き換えるために、新造の高速客載車両渡船が建造され、1964年に起工されました。

この船は、洞爺丸事件や宇高連絡船の事故を教訓に設計され、内部の安全性には特に配慮されています。具体的には、12枚の水密隔壁によって船体が13区画に分かれ、浸水のリスクを低減。船体の中央部には二重構造が施され、運航の安全が向上しました。また、最大48両の車両を積載し、1,200名の旅客を乗せることができる大型船です。旅客輸送時間は青森と函館間を3時間50分で結ぶなど、高速輸送の実現をもたらしました。

機械装置と運航体制

大雪丸は、中速ディーゼルエンジンを8台搭載し、推進用の可変ピッチプロペラを採用しています。さらに、操縦室から遠隔操作が可能なバウスラスターを装備し、操船性能も向上。各客室や乗組員室は冷房完備で、さまざまなタイプの座席を配置し、乗客の快適さにも配慮しています。

運航の歴史

大雪丸は、1965年に就航し、以降一貫して青函航路での定期航路を運航しました。多くの人物や貨物を運び、観光やビジネスの重要な役割を果たしてきました。航行中には事故や改修がありましたが、長年にわたり南北の結びつきの一端を担い続けました。

1987年に国鉄が分割民営化され、北海道旅客鉄道に継承されました。この際、船籍が東京から函館へ変更されましたが、今もなお大雪丸は港の記憶に深く刻まれています。

終航後の運命

1988年、大雪丸は役目を終え、東京湾のホテルシップとしての運用が計画されましたが、トラブルに見舞われ、長崎市に移動されて海上ホテル「ホテルシップヴィクトリア」として開業しました。しかし、複数の所有者変更や倒産を経て、最終的には福建省に移され、詳細は不明ですが、現在は座礁しているとの情報があります。

まとめ

大雪丸は技術の象徴であり、航路の歴史の一部として広く認知されています。近代の船の建造における革新性や、安全性への配慮は、今後の海運業界にも多大な影響を与え続けることでしょう。

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