大韓民国の鉄道

大韓民国の鉄道

大韓民国（韓国）の鉄道システムは、政府が運営する公共鉄道と一部の民間資本による鉄道の二本柱から成り立っています。主に韓国鉄道公社（KORAIL）が一般鉄道と広域電鉄を担い、各都市の公社が都市鉄道を運営しています。一般的に、韓国の鉄道路線は主に標準軌で整備されており、現在営業中の車両には、非常用でない貫通扉を備えた車両は存在しません。

鉄道の歴史

韓国の鉄道の歴史は1899年にさかのぼります。最初の鉄道は鷲梁津と仁川を結ぶもので、アメリカの実業家が手掛けたプロジェクトが日本の企業に引き継がれ、1900年には漢江の橋梁も完成しました。その後、京釜線や京義線といった幹線が日本統治時代に日本の技術を使って築かれました。

1945年以降、朝鮮半島は北と南で分断され、鉄道もその影響を受けました。特に、朝鮮戦争の結果、韓国側では鉄道の復旧が進められ、1955年には釜山とソウルを結ぶ特急「トンイル号」が運行を開始しました。

1965年には日韓基本条約の締結により日本との関係正常化が進むとともに、特急「観光号」が運行を開始します。1980年代には、韓国鉄道の名称が再編成され、現在までのシステムが確立されていきました。

高速鉄道と都市鉄道

2004年には、韓国初の高速鉄道「KTX」が運行を開始し、同時にそれまでの「トンイル号」が廃止されるなど、鉄道網の近代化が進行しました。さらに2007年には、民間資本による仁川国際空港鉄道が開業すると、2016年には「SRT」も登場し、韓国の高速鉄道システムは2種類の列車が増えることになりました。

都市部では、地下鉄やモノレールなどの都市鉄道が整備されているため、交通の便も大変良好です。ソウル市や釜山広域市などでは、市営の鉄道機関が活躍し、通勤や観光客の輸送に重要な役割を果たしています。

国際的な連携と北朝鮮との関係

韓国は、北朝鮮との鉄道再連結を目指し、シベリア鉄道や中国国鉄への直通運転計画を進めています。過去には、北朝鮮との直通列車が運行されていましたが、現在は延期されています。

また、韓国の鉄道は日本の影響を受けている部分が多く、複線区間では左側通行が採用されることが一般的となっています。観光列車や特急列車などは日本のシステムにも似た形態で運行されており、日本人観光客の訪問に対応するための工夫も見られます。

結論

大韓民国の鉄道システムは、長い歴史の中で多くの変遷を経て、現在の姿に至りました。政府と民間の協力による運営は、利用者にとって快適で便利な鉄道体験を提供しております。これらの鉄道は、国内移動の重要な手段であると同時に、国際的な交通網の一部としての位置付けも持っています。

もう一度検索