大韓民国国軍

大韓民国国軍

大韓民国国軍（대한민국 국군）は、韓国が保有する軍隊であり、国家の安全保障を目的として存在しています。この国軍は朝鮮半島の南部に位置し、北部の朝鮮人民軍と対峙しています。韓国軍は、冷戦期以来、常に臨戦態勢を維持し、国家の防衛に努めています。

概要

韓国国軍の主な目標は、「敵の武力侵攻から国家を防衛し、平和統一を支援し、地域的な安定と平和に寄与する」とするものであり、1971年11月の国防部政策会議で確認されました。最高指揮官としての地位は憲法に明記されており、大統領がその役割を担っています。一方で、朝鮮半島の統一に関する義務も負っています。

韓国軍は陸、海、空の三軍体制を持ついわゆる「三軍統合型組織」として機能しています。2021年時点での人員数は約50万人であり、陸軍が約36万5千人、海軍が約7万人、空軍が約6.5万人、さらに310万人の予備役を有しています。また、韓国には在韓米軍も駐留しており、両軍は多くの共同演習を実施していることから、戦術的な連携が取られています。

戦時作戦統制権

平時の作戦統制権は韓国側が行使しますが、有事の際は米韓連合司令部がこの権限を持っています。作戦統制権の返還はこれまでに何度か延期されており、最低でも2020年代半ばまでは米韓連合司令部が統制権を管理する見通しです。

軍事力と予算

韓国軍は、最近数十年の間に急速に軍事力を強化し続けています。特に、防衛予算は増加傾向にあり、最新の兵器の導入や技術革新が進んでいます。2022年の韓国の国防費は前年比4.5%増の約55兆2277億ウォンに達しました。また、国際的には、大規模な兵器取引の一環として、韓国製兵器が他国に輸出されるケースも増えています。

徴兵制度と歴史

韓国は徴兵制を導入しており、18か月以上の兵役が義務付けられています。戦争を経て、1951年に再導入されたこの制度は、国の防衛において重要な役割を果たしています。韓国軍の歴史は、1946年にアメリカの統治下で始まり、その後の朝鮮戦争やベトナム戦争を経て、冷戦時代を通じて発展し続けています。

国際関係

韓国は、アメリカとの軍事的な同盟関係が強く、共通の安全保障のために協力を続けています。しかし、対日関係においては歴史的な背景から緊張があり、韓国軍は日本を想定した訓練も行っています。竹島問題などが両国関係に影響を与えているため、この問題は現在も注視されるべき事項です。

内部の問題

韓国軍内には、いじめや自殺といった問題も報告されています。内部の暴力や体罰が問題視されているため、国防部からは暴力禁止の指令が出されています。さらに、ベトナム戦争時の軍の行動も議論の的になっており、韓国政府は過去の行為について正式に謝罪していないため、国際的な批判を受けています。

韓国国軍は、その多様な課題に対応しつつ、国土を守るために活動している重要な存在です。

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