大須球場

大須球場（おおすきゅうじょう）

大須球場は、愛知県名古屋市中区大須に存在した野球場で、1947年から1953年までの間に数多くの試合と記録を生み出しました。この球場は、名古屋大空襲で焼失した本願寺名古屋別院（西別院）を再興し、大須地区の発展に寄与する目的で建設されました。地方団体や市の協力のもと、大須七ツ寺勤労協和会の主導によって設立されました。

球場の特徴

大須球場はセンターからレフト、ライトにかけて膨らみがない直線的な形状であり、低いフェンスが特徴的で、本塁打が出やすい環境の下で知られていました。『巨人軍5000勝の記憶』では、千葉功がこの球場を「校庭グラウンド」と表現しており、打撃の多い試合が展開される場でもありました。プロ野球の公式戦だけでなく、ノンプロ、女子プロ野球、高校野球、さらにはオートレースやダンスパーティーなどのイベントでも使用され、幅広い用途があったことから地域の重要なスポーツ拠点となりました。収容人数は1万人で、その大きさから多くの観客を迎え入れました。

歴史的な出来事

1947年に大須球場が完成し、1948年にはプロ野球の公式戦が初めて行われましたが、翌年1950年には中日ドラゴンズが本拠地を変更したため、こちらでの公式戦は限定的になりました。しかし、その後も名古屋遠征時にパシフィック・リーグのチームによる公式戦が行われ、1951年には大映の飯島滋弥選手が11打点を記録するなど、話題性のある試合が繰り広げられました。

大須球場はその多くの記録によって歴史に名を刻んでいます。1950年には、東急フライヤーズ対西鉄クリッパース戦で、両チーム総得点が35点に達し、客席を熱狂させました。また、1951年の大映対阪急戦では、飯島選手が1試合で3本塁打を記録する新たな名場面を創り出しました。ただし、中には大須事件と呼ばれる事故も発生しており、1947年から1953年という限られた期間の中で様々な出来事が影響し合っていました。

閉鎖とその後

このエンターテインメントの場は、1953年1月30日に経済的理由から閉鎖を迎えました。閉場後、大須球場の設備は解体され、跡地には浄土真宗本願寺派による新たな本願寺名古屋別院が再建されました。加えて、周辺には名古屋スポーツセンターが設立され、フィギュアスケート選手が次々と育成されています。

球場のスペック

• - 両翼の長さ: 91.2m
• - 内野: 土
• - 外野: 土
• - 照明設備: なし

大須球場は、名古屋のスポーツ文化の一端を担った存在であり、その歴史は今も多くの人々によって語り継がれています。

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