飯島滋弥

飯島 滋弥：プロ野球界の多才な選手

飯島滋弥（いいじま しげや、1918年10月11日 - 1970年8月9日）は、千葉県香取郡吉田村（現在の匝瑳市吉田）に生まれた、内野手及び外野手として活躍したプロ野球選手であり、その後はコーチや監督、解説者としても知られています。彼の経歴は多岐にわたりますが、特に記録的な成績を残した選手としての側面が注目されています。

経歴の詳細

アマチュア時代

飯島は旧制千葉中学校に在学中の1931年と1932年に二度甲子園に出場し、野球の才能を早くから示しました。その後旧制慶應義塾大学に進学し、一塁手としてプレーしました。彼の在学時代は、「百万ドルの内野陣」と称されるほどの強力な内野陣が形成されていました。東京六大学リーグでの通算成績は112打数25安打、打率.223、1本塁打というものでした。卒業後は日立航空に勤めますが、視力と右膝の不調によって軍に召集されないという苦労もしました。

現役時代

その後、戦後に職業野球が再開され、飯島は28歳で新設されたセネタースに入団します。1946年には新人ながら主将に任じられ、打率.312と12本塁打を記録するなど目覚ましい成績を収めました。しかし、翌年には球団が東急に売却され、成績が下降。1948年に金星スターズに移籍しますが、出場できずに終わりました。この年のオフに大映が金星を買収、翌年から大映スターズとして再出発し、飯島も含めて打撃を復活させました。1949年には打率.293、25本塁打を打ち、以後も打率.322、打点77、打率.294、63打点など好成績を記録しました。

1951年の対阪急戦では、1イニング2満塁本塁打を含む3本の本塁打を記録し、いくつもの日本プロ野球の記録を樹立しました。1952年には打率.336で首位打者に輝き、78四球の記録も残しました。

その後、南海ホークスに移籍し、1955年には出場機会が減少しながらも現役を退く決断を下しました。

引退後の活動

引退後も飯島は野球界に貢献し、解説者として日本短波放送やフジテレビ、文化放送などで活躍しました。1967年には古巣・東映の一軍打撃コーチに復帰し、選手たちに「月に向かって打て」といった名言を残しました。 その後、二軍監督も歴任し、1969年には退団しました。

1970年、胃がんにより51歳の若さで亡くなりましたが、亡くなる前日は巨人監督の川上哲治と応対したと言われています。川上は、飯島の逝去を聞いた際、その一日前には彼と会話を交わしたことを証言し、その記憶が多くの人々の心に刻まれています。

彼の特徴と人柄

飯島は調子の波があったものの、優れた選球眼を持ち、打撃が乗ると止まらない力を見せました。守備も安定しており、三塁や一塁、外野を守ることができましたが、守備位置での連携に課題が見られました。その性格は「天才肌」とされる一方、気難しさやわがままさもあったと評価されています。特に契約更改の際に揉めることが多く、「ゴネ島」と呼ばれたこともあります。

飯島滋弥は、プロ野球史に名を刻む偉大な選手であると同時に、多くの人々から愛された指導者でありました。

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