大鷹 (空母)

大鷹（たいよう）

大鷹は、大日本帝国海軍が運用した航空母艦であり、元は新田丸級の客船春日丸から改造された船です。この艦は、日本海軍の航空母艦の中で重要な役割を果たしました。

概要

大鷹は1941年8月に特設航空母艦として完成し、太平洋戦争の緒戦から中盤にかけて航空機の輸送任務に従事しました。1942年8月31日、軍艦籍に編入され、春日丸から大鷹に改名されました。その後、様々な任務を果たしましたが、その運命は多くの艦と同様に厳しいものでした。1943年9月に米潜水艦の攻撃により大破し、修理後は海上護衛任務に回されましたが、最終的には1944年8月に米潜水艦による攻撃で沈没しました。

特徴

大鷹は、昭和初期の日本郵船が建造した豪華客船、春日丸から改造された艦艇です。この改装中に日本海軍の要求に応じて航空母艦の機能を持たせるための様々な工事が行われ、客船から航空母艦としての姿に変わっていきました。当初は航空機運用能力が限られていたこともあり、連合国軍の艦船に対して見劣りする部分がありましたが、特に連合艦隊の艦隊用補助空母としての重要な役割を果たすことが期待されました。

設計と兵装

大鷹型航空母艦として設計され、艦橋は遊歩甲板上に設置され、煙突は中央部右舷側に配置されました。兵装は当初12cm単装高角砲と連装機銃を搭載する予定でしたが、完成時には高角砲や機銃の数が不十分であったことが後に影響を及ぼしました。大鷹ではエレベーターと格納庫を備えていましたが、カタパルトを用いた航空機の発艦には対応できていませんでした。

歴史

春日丸としての建造は1940年1月に始まり、1941年に特設航空母艦に転換されました。大鷹として運用された後は、航空機輸送任務を行い、南方作戦に多く関与しました。1942年からはラバウル方面への航空機の輸送を行い、その活動は日本の戦局にも影響を与えました。1943年以降、海上護衛総司令部に編入されたものの、その運用には様々な困難が伴いました。

大鷹は1944年8月にルソン島近くでアメリカの潜水艦ラッシャーの雷撃を受け、艦は大爆発を起こし沈没しました。戦後の艦艇の慰霊や記憶は、長崎県佐世保市にある大鷹の慰霊碑に残されています。

年表

• - 1940年: 寒寒丸として起工。
• - 1941年: 5月、特設航空母艦として運用するため徴用。8月、竣工。
• - 1942年: 8月31日、大鷹に改名。
• - 1943年: 9月、米潜水艦の攻撃で大破する。
• - 1944年: 8月18日、アメリカ潜水艦ラッシャーにより沈没。

大鷹の物語は、当時の日本海軍の艦艇の運命や戦局の厳しさを象徴したものとして、多くの人々の記憶に残っています。

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