大龍寺 (品川区)

大龍寺

大龍寺（だいりゅうじ）は、東京都品川区南品川に位置する黄檗宗の寺院です。瑞雲山（ずいうんざん）と号し、品川区の歴史と文化を伝える重要な寺院の一つとして知られています。

歴史

大龍寺の起源は、室町時代の寛正4年（1463年）に覚阿（かくあ）によって創建された時宗の明王山東光院（みょうおうざんとうこういん）に遡ります。東光院は、近隣に位置する長徳寺（ちょうとくじ）の歴代住職の隠居所としての役割も担っていましたが、次第に衰微し、末期には閻魔堂（えんまどう）を残すのみとなっていました。

江戸時代の元禄16年（1703年）、時宗大本山の清浄光寺（しょうじょうこうじ）の了解を得た上で、黄檗宗の僧侶である百泉（ひゃくせん）が、明（みん）からの渡来僧である慧林（えりん）（百和泉（ひゃくせん）から譲受、隠元の弟子）を開山として迎え、黄檗宗に改宗しました。この際、寺号も瑞龍山大龍寺（ずいりゅうざんだいりゅうじ）と改められました。開基は、藤堂伊予守良直（とうどういよのかみよしなお）です。

文化財

大龍寺は、品川区指定文化財を多数所蔵しています。これらの文化財は、寺院の歴史と文化的重要性を示す貴重なものです。

木造釈迦三尊像
木造伽藍神倚像

その他

時宗時代に建立された閻魔堂は、黄檗宗への改宗時に長徳寺に移されました。閻魔堂は、地域の信仰を集める場所として、現在も長徳寺に保存されています。

交通アクセス

大龍寺へは、京浜急行電鉄の新馬場駅（しんばんばえき）からのアクセスが便利です。

新馬場駅より徒歩6分

脚注

「品川宿 南品川宿上」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ53荏原郡ノ15、内務省地理局、1884年6月。
* 平野栄次 著『品川区史跡散歩 (東京史跡ガイド9)』学生社、1993年

大龍寺は、その長い歴史の中で、時宗から黄檗宗への改宗という大きな転換期を経て、現在の姿に至っています。品川区の歴史と文化を伝える貴重な寺院として、地域の人々に親しまれています。

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